Cigarette love 03 (ページ13)

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オススメの場所ページ13

「で、
Aの好きな人はどんな人？」と
ユノが聞いて来る。

私は少し悩んで
「努力家で誰にでも優しく出来る
素敵な人」と答える。

もちろんユノの事だ。

「そんな奴がいたら
俺はかなわないなぁ」とユノが苦笑いする。

程なくして彼のお勧めの場所に到着した。
そこは都会のど真ん中にある有名ホテルで
来客用ではない関係者専用駐車場に車を停め
裏口からホテルに入る。

「勝手に入って大丈夫なの？」と私が聞くと
「大丈夫、ここの警備員と知り合いなんだ」と彼。

その言葉の通り、
警備室にいる警備員さんに
挨拶をして建物の中に入った。

業務用の無機質で大きなエレベーターに
２人で乗り込み着いた先は
このビルの最上階でそこから今度は
階段を使って更に上がり、
大きな鉄の扉にたどり着く。

彼はその扉の前に立ち
「ようこそ俺の秘密の場所へ」と
おとぎ話の王子様の様に深々とお辞儀をして見せる。
そして「暗いから足元に気を付けて」と
言いながら彼はその扉を開いた。

彼の秘密の場所はホテルの屋上だった。

「こっちにきて」と彼が手招きをする。

彼のもとに向かうとそこには
都会のキラキラとした夜景が広がっていた。

「うわぁ～綺麗だね」と私が言う。

ユノはポッケから煙草を取り出し火を付けると
「何か悩んだりした時は
ここに１人で来て煙草を吸うんだ」と教えてくれた。

私達はそのまま
暫く無言で夜景を眺めた。