Cigarette love (ページ29)

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紅茶と煙草。　（U-Know ページ29

煙草屋に行く途中で
あちこち寄り道をした。

Aさんと紅茶専門店に入る。
コーヒーも好きだけど俺は紅茶も好きだ。

お店に入る度にお客さんが店に溢れる。
ばれたか？
いや、大丈夫そうだ。

２人で話しながら紅茶を見ていると
Aさんが「ちょっと、向こう見てきますね。」と
クッキーの棚を指さした。

「いってらっしゃい」と言うと同時に
店員さんが「お土産にいかがですか？」と
声を掛けてきたので、
今日のお礼にあーさんと彼女に
プレゼントをすることにした。

オレンジペコのセットと
ストロベリーフレバーセットの２つを購入し
プレゼント用に包装してもらう。

オレンジペコはあーさんで
ストロベリーはAさん。

支払いを終え
Aさんに声を掛けようとしたら、
お店の外で疲れた様な何とも言えない表情で
下を向いていた。

振りまわしすぎたかな・・・

俺が「大丈夫ですか？
疲れましたか？」と声を掛けると
Aさんは
「大丈夫ですよ！
ちょっとお店の中が暑かったから」と答えた。

「買い物したんで少し待ってもらえますか？
ごめんなさい。」と謝ると
「ゆっくりで大丈夫ですよ
私こそ声掛けないで
お店出ちゃってごめんなさい」と彼女。

紅茶を受け取り
また雑貨店などに寄り道しながら
目的のお店へ到着した。

宮野さんの言うとおり見たこともない
銘柄の煙草がたくさん並んでいた。

店員さんが
「好みなどがあればお探ししますよ」と
声を掛けてくれたので
「Aさんは
どんなのが好きですか？」聞くと、
彼女に気がついた店員さんが
「いつものでいいですか？」と言った。

”いつもの”という言葉に
彼女はここの常連だと俺は気がついた。

でも何故彼女は
ここの常連だと俺に言わなかったのだろう？
教えたくなかった？

いや、だったら俺の提案を断るだろう。
きっとＭＡＰを見ながら探す俺を見て
言い出せなかったんだ。

俺は「Aさん、ここ知ってたんですか？
だったら僕がＭＡＰ見なくても
良かったんじゃないですかぁ」といじけて見せる。

彼女はばつの悪そうな顔で笑った。

それから俺が店員さんとの
会話に夢中になっていると彼女が
「ユノさん、
そろそろ仕事なので行きますね
今日は楽しかったです！じゃぁまた今度」と

俺の返事も聞かずに足早に彼女は行ってしまった。

お礼のプレゼントを渡す暇もなかった。