Cigarette love (ページ27)

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時には殴られるよりも痛い。ページ27

言葉って時には殴られるよりも
ダメージは大きいんだ。

「似合ってない」
「あんなブサイクが」
「彼が可哀想」なんてそんな事は
私が充分に分かってる。

自覚してるんでもう勘弁して欲しい。

ユノさんは寄り道したお店で
ちょくちょく買い物をしていて
肩には大きな紙袋が下がっている。
最後に買い物をしたお店で
まとめて持てるようにしてくれていた。

目的地に１時間ほど掛かって到着。

「Aさんここですよ！
知らない銘柄がいっぱいある！」と目を輝かせる彼。

「好みなどがあればお探ししますよ」と店員さん。

「Aさんはどんなのが好きですか？」と
ユノさんが聞いてくる。

その声で彼の後ろに立っていた私に
「いつものでいいですか？」と声を掛けてくれる店員さん。

”いつもの”と言う単語に

「Aさん、ここ知ってたんですか？
だったら僕がＭＡＰ見なくても
良かったんじゃないですかぁ」と
口を尖らせながら彼は言う。

それから彼は店員さんと
色々と楽しそうに話していた。

そうこうしているうちに時計を見ればもう２時半。
園が近いと言ってもそろそろ移動しなければ。

それにいつもの日課のあの場所で
一服してから行きたいし。

楽しそうに話しているユノさんに
「ユノさん、私そろそろ仕事なので行きますね。
今日は楽しかったです！じゃぁまた今度」と告げて
私はいつもの場所に向かい煙草に火をつける。
楽しかったけど色々な意味で今日は疲れた。

でもまだ仕事がある。
私は煙草を咥えながら背伸びをし
気持ちを入れ替える。

するとテラスデッキの扉が開いて
そこからユノさんがひょっこりと顔を出した。

「よくその出口分かりましたね」と声を掛けると
「小野さんに教えて貰いました！」と彼。

小野さんはさっきの煙草屋の店員さん。
「ゆっくりしてくれば良かったのに」と言うと
「これを渡そうと思って。
あーさんにも渡してください」と
小ぶりの紙袋を２つくれた。

そしてまた２人で一服し、私は仕事に向かった。

最後の挨拶は「また今度」だった。