Cigarette love (ページ2)

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お礼と自己紹介。ページ2

あれを買うのは馬鹿らしい。

だからってあげる事はないだろうと
思うかも知れないけど実は昔、
私も同じような場面で見知らぬサラリーマンに
ライターを貰い凄く助かった事がある。

だから私はライターの予備を持ち歩いて
今みたいな場面ではプレゼントしている。

そんな事を知る由もない彼が
「貰っていいんですか？
貴方が困るんじゃ？」と返そうとするので
「もう１つあるんで大丈夫ですよ
それにこの辺で買うと高いし。」と告げると
「ありがとうございます、助かります！」と
素直にライターを受け取ってくれた。

その後彼は「本当にありがとうございました！」と
笑顔で喫煙所を後にした。

私の一服は休憩も兼ねているので
彼が居なくなってからもスマホをいじりながら
のんびりしていると先ほどの彼が戻ってきて
私を見つけると
「よかった！まだいた！」と言いながら
私の目の前に「ライターのお返しです！」と
カップ入りのコーヒーを差し出した。

「お返しなんて悪いですよ！」と言うと
「凄く嬉しかったんで何かお礼をしたくて。
コーヒー苦手ですか？」と困った顔をする彼。

「コーヒーは好きですけど…」と答えると
「よかった、じゃー貰って下さい！」と
コーヒーを更に差し出して来た。

おまけのライターで申し訳ないなぁと思ったけど、
断るのも悪い気がしてご馳走になることにした。

ベンチに並びながらコーヒーを飲む。

すると「ここで働いている方ですか？」と彼。

あまり言いたくなかった私は
「この近くで働いてます」とだけ答えると
「お洒落なところで働いてますね！」と彼。

今度は私が
「今日は遊びに来たんですか？」と尋ねてみる。

自分も働いていたら”お洒落なところで”
なんて言わないと思ったからだ。

すると「はい、毎週水曜日は鴎台で仕事なんです」と彼。
そしてつづけて
「お名前はなんていうんですか？
僕はチョン・ユンホって言います」と自己紹介をしてきた。