Cigarette love (ページ5)

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ライター＆coffee　（YN ページ5

諦めきれない俺は
何度もライターを擦った。

すると隣に座っていた女性が
「良かったらどうぞ」とライターを差し出して来た。

一瞬戸惑ったけど、
ありがたく借りることにして煙草に火をつけ
「ありがとう」と返そうとすると
「よかったらそれあげます」と彼女。
「貴方が困るんじゃ・・・」
そう言いながら返そうとすると

「もう１つ持ってるんで大丈夫ですよ、
それにこの辺で買うと高いし。」と彼女。

ライターを貰えたらそれは凄く助かる。
それにもう１つ持っているって言うのは本当らしく、
彼女のタバコの上には別のライターが置かれていた。

俺は素直にライターを貰う事にし
そしてもう１本タバコを吸い
彼女にライターのお礼を言って喫煙所を後にした。
まだ少し早いがスタジオに戻ろう。

そう思いながら階段を降ると、
さっきは気が付かなかったコンビニがあったので
コーヒーでも買うかと思いお店に入る。

最近はコンビニのカップコーヒーがマイブーム。

あの挽きたての香りがいい。
コーヒーを注文し待っていると
レジ横にライターが売っているのが目に入った。

なんだここで買えばよかったんだ
そう思ってライターを見ると
１００円ライターがなんと６００円だった。
これは観光地値段ってやつか。

そして彼女の言葉を思いだした。

"それにこの辺で買うと高いし"

彼女は知ってたんだ。

そう思ったら、
なんだかさっきよりも更にありがたい気がしてきた俺は
コーヒーを入れている店員さんに声をかけ
もう１つコーヒーを追加で頼んだ。

お礼にコーヒー持っていこう。

でもお店を出て気が付く。

もういないんじゃないか？
そう思った俺は
間に合いますようにと心の中で
お願いしながら階段を駆け上がった。