検索窓
今日:7 hit、昨日:67 hit、合計:104,831 hit

その四十一 ページ44

「実弥さん、私……」

 「悪りぃ、怖い思いさせたなァ。安心しろ、誰も彼奴の言うことなんて信じねえよ、Aが不安に思うことは一つもねぇ。」

 「……うん、」




 下を向いて俯く。
 そりゃそうよ、口先ではそう言われても、さっき襲われたばっかであんな台詞まで吐かれたらそう簡単に不安から逃れることは出来ないわ。

 ま、私が不安に思うことなんて一つも無いんだけど♡
 ほんとに万が一起こったらちょっと不味いのは、あの女が言っていたことは本当で、なおかつ産屋敷があの女の言ったことを信じてしまったら……まあ産屋敷を見る限り、片方だけの言い分を信じてしまうような奴じゃない、ってのは分かるから良いんだけどぉ〜。




 「……今日は任務、他の奴に代わってもらうか。Aを一人にするのは不安だ」




 ……え?

 バッと顔を上げて実弥さんを見る。その顔は本気そのもの、って感じで、ほんとに私のことを心配してくれたみたい……じゃなくて!


 駄目よ、絶対駄目よそんなの!だって今夜は不細工に追い出されたかわいそうな先輩こと不細工つーが私に会いに来る最後の日なのよ!?「お前の居場所は無いわよ残念でしたぁ♡」って高らかに宣言してあげようと思ってたのに、実弥さんが居たらできなくなっちゃうじゃない!




 「だめ。私のせいで、実弥さんの任務に影響をだしたくないわ、私ならだいじょうぶだから、実弥さんは……」

 「A……。」

 「おねがい実弥さん、じゃないと私、自分が情けなさすぎて……実弥さんに迷惑しか掛けてないし、でも私は何も出来なくて、こんなところまで、迷惑かけたくないわ。」




 困ったように目尻を下げた実弥さんは、私の体をきゅっと抱き締めて、「わりぃな」と呟く。そして私は心の中で、盛大に安堵の溜息を吐いた。

 ……ふう、これで何とか大丈夫そうね。
 ふふ、早く夜が来ないかしら、あの女の歪んだ顔も、それはそれは滑稽でしょうよ。








 ________だと、思ってたわ。









 「……お前が、不死川と共に住んでいる鬼か。」




 ________誰よ此奴ゥ!!!

その四十二→←その四十



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
269人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。