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その九 ページ11

「……まぶしい。」





 私は日光に当たっても大丈夫だけれど、その大丈夫というのは、回復するのが速すぎて、日光に当たっても燃える前にすぐ回復するからなのよね。だから痛いものは痛いのよ。
 私痛いのは嫌いだし……と、箱の扉を閉めようとしたその時、ガシ、と扉を掴まれる。


 ぬっ、と出て来たのは、派手な装飾がされている男の顔だった。





 「おいおい、こいつ日光に当たっても死なねえのかよ?」

 「まだ確定というわけではありませんから……一度全身を外に出してみましょう。」





 全身を外に出す? ふざけたこと言ってんじゃ無いわよ、と思わず声を上げようとしたけれど、むぐ、と堪える。

 すると、脇の下を派手男の腕に掴まれて、ひょいっと外に出された。カッ、と全身に浴びせられる日光。見た目的には何ら変哲のないように見えるかもしれないけれど、ちゃんと肌は焼けている。ただ、ちゃんと回復もしている。





 「やはり……、お嬢さんは日光が平気なんですね?」





 にこにことムカつく笑みを浮かべながら私に問いかけてくるあの女の姿が。もしここで、少しでも日光が苦手な素振りを見せてしまったら…………? 私は一日中日光に晒されることになってしまうかもしれない。

 平気な訳ないでしょ!と心の中で反抗してから、





 「……へいき。」





 とだけ答えた。

 すると、派手男が私をストンと地面に下ろした。この小さい体だとすぐに持ち上げられたりぶん回されたりしちゃうわね……。そう考えた私は、しゅるしゅると大人の大きさに体を戻した。



 それだけなのに……、





 「あらあら、いつ大きさを戻して良いと言いました?」

 「そんくらい良いだろ、胡蝶。」

 「不死川さんに聞いていません。」

 「あぁ?」





 ばちばち、と火花を散らせる実弥さんとあの女。

 なんだかめんどくさいことになっちゃったわ……と溜息を吐きたくなったその瞬間、何処からか、小さい女の声が聞こえて来た。





 「御館様の、御成です。」





 子供二人に引かれて現れたのは、顔半分が痣のようなもので覆われている、不思議な空気を纏った男だった。

 _____あれが鬼殺隊当主、産屋敷耀哉?

その十→←その八



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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時

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