その六 ページ8
「ッ! 実弥さんあぶないっ」
ふわふわとした空間が、一瞬にして崩れ去った。なんだか殺気が凄い勢いで近づいてくるなって思った、実弥さんの服の裾をぐいっと引っ張った。
私と実弥さんが居たところの床には、刀による痕が残っていて、その近くには蝶の飾りをつけた女が立っていた。
「あらあら、何処ぞの冨岡さんに続いて、貴方も鬼を庇うんですね。」
「庇った訳じゃねぇ、此奴が俺を引っ張ったんだァ。」
「それなら隊律違反にはなりませんね! 良かったです! この鬼は禰豆子さんとは違って沢山の人を食べていますからね、猛毒で殺してあげましょう!」
「あ?」
にっこり笑って、その女は私に向かって言った。禰豆子って、あの人間と共に行動してる鬼の女の子かな。なんてぽけーっと、考えていると、実弥さんに抱き上げられた。
「きゃあっ!」と声を上げて実弥さんにぎゅっと抱き着く。どうやらあの女が私に攻撃しようとしてきたらしい。
「あらあらあらあら? 不死川さん、それは立派な隊律違反ですよ。」
「ッチ、此奴は自分から望んで人を喰った事はねぇ。無理矢理喰わされてたんだ。」
「何をおっしゃってるんですか?」
「ほ、本当です……、私、人間の血や肉なんて好きじゃないのにッ……!」
ぐすん、と嘘泣きを交えながら女に言うと、女は「黙って下さい、貴方には聞いてません」と笑顔で言った。
私こういう感じの女苦手〜〜。なので、私は「こわぃ……」と実弥さんの体に顔を埋めた。実弥さんは「よしよし」と頭を撫でてくれた。
チラッと女を見ると、女はとても驚いたような顔をしていた。実弥さんのこんなところ、見た事なかったんだろうなぁ。
実弥さんに見えないようにして、女にべっと舌を出した。
「(まぁ、あの鬼のお嬢さん。煽るのがとてもお上手なんですねぇ〜!)」
「(私多分あの女とは仲良く出来ないわね。するつもりないけどっ)」
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時