その二十九 ページ32
実弥さんの身の回りの世話を焼き始めてから約一週間、待ちに待った隠が実弥さんのお屋敷に来る日。
嵌められたあの女は来れないでしょうから、きっと今日来るのは一人ね。多分新しいのは来ないと思うわ、後輩の方が拒否ってると思うから。多分、「私一人で大丈夫です!」とかなんとか上に言ったんでしょ。
ざんねーん、実は貴女ももう要らないの!なんてったって、この一週間私が以前の隠たち以上の働きをこなしているから。まあ、働いた分の血は貰ったし、今日はあの女から貰うつもりだけど。
ちゃんとお掃除もしたから、お屋敷に入ったらびっくりでしょうね。
「な、なんでこんな綺麗に……」
ほーらね。
堂々と正面玄関からやって来た女を、廊下の奥から見つめる。
うんうん、きっと一週間分の汚れを私が綺麗さっぱり落として不死川様に感謝されちゃうぞ!とかそんな事でも思ってたんでしょうけど。
ふふっ、何あれ、口ぱっくり開いちゃって!驚き過ぎでしょ、金魚みたいになっちゃってるわ、かーわい♡……うそうそ、更に不細工になってるわ。
私はここで、丁度今廊下を通り掛かったかの様に見せかけて、隠に気が付いた振りをした。
「あっ、そういえば今日日曜日だったわ!間違えて朝のお掃除しちゃったぁ……」
「ちょっと、これどういうこと?」
「こんにちは隠さん、どういうことも何も、“いつもみたい”に朝の掃除をしちゃったんです。隠さんのお仕事取っちゃいました、ごめんなさい!」
「まあでも、毎週隠さんが頑張ってくれてるので、今週はらっきー!くらいの気持ちで……」
「ふざけんじゃないわよ、何勝手に私の仕事取っ____」
「おぅ、来てたのか。」
「実弥さん!おはようございます!」
「し、不死川様!」
わお、何て最高のタイミング!今の会話が聞こえてたんじゃないかと途端に慌てふためく隠の女を見て、思わず笑っちゃいそうになったけれどなんとか堪える。
だけど不死川様は隠の女に怒ることなく、「はよ」とだけ呟いた。
あら、寝起きだったから聞こえてなかったのね。ざーんねん。
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雪製レンガ - テストの山…私もその合間で見つけた…ジゴクダヨネ… (7月14日 20時) (レス) @page2 id: aacf113ce1 (このIDを非表示/違反報告)
実弥&左馬刻&勝己Love - 初めまして!凄く面白いです。実弥推しなので、嬉しいです♡このまま実弥とくっつけ笑笑更新待ち遠しいです。更新楽しみにしています( "´༥`" ) (2021年12月7日 12時) (レス) @page48 id: a5d4d80cb6 (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - テストは私が殺ってやる!⇠ 作者様は夢小説をお書きになって下され!! (2021年11月30日 20時) (レス) @page3 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
ななななな(プロフ) - こんなにテストを恨んだことはない、、、!作者様に早く更新できるようにして差し上げろ! (2021年10月12日 13時) (レス) @page49 id: ed46f7b247 (このIDを非表示/違反報告)
もかやん(プロフ) - テストの山大変ですね…(>_<)ファイトです*(°̀ᗝ°́)و (2021年10月12日 0時) (レス) @page49 id: c0d5dab732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まぴおろごん@通りすがりの黒魔道士A | 作成日時:2020年1月13日 22時