０３：怪我した鳥を、治してください！ ページ3
身体の問題で、基本的に1日椅子に座りっぱなしのAFOからすると──目の前をちょろちょろ動き回るAの存在は良い暇潰しになっていた。
｢ねえ先生、せんせー｣──そうAが彼のいる部屋に入ってきた。
AFOが｢どうした？｣と少しだけ椅子から身体を上げてAの顔をうかがう。……ちょっとだけ、身体に繋がれたチューブを邪魔に思った。
｢ん｣──AFOの前に差し出されたAの手には、翼が折れた雀がいた。
雀。最近はめっきり数が減ったような気はするが、それでも珍しいとは言いにくい庶民的な鳥。
AFOは少し興味が沸いた。
｢その鳥をどうして欲しいんだ？｣とAに聞いてみる。
｢助けてあげたい。痛いの、嫌だもん｣
まあ当然の回答だ。
だが、裏方の世界で生きてきたAFOからすれば───少しだけ真新しく、そして懐かしい返答のように感じた。
｢ドクターは？｣
｢そんなの拾ってくるなって｣
Aはあからさまに落ち込む。それは、AFOにも伝わってきた。
仕方無いな。と言わんばかりにAFOは彼女の手の中で横たわる雀に手を伸ばした。
彼が手を伸ばすと、雀は明らかに抵抗を見せた。動物は人間の内面を悟る生き物と聞くが───強ち嘘ではないらしい。
一瞬、雀が目映い光に包まれた。
Aも思わず目を細める。
──光が引くのと同時に、雀は羽根を動かす。
完全に輝きが引いた時には雀はAの手から飛び出し、部屋を気持ち良さそうに旋回していた。
｢わああ！ すごい！！｣
｢回復系の個性だが……ふむ、意外と使い勝手がいいな｣
Aは飛び回る鳥に、AFOは奪っていた個性の使い心地に関心を持つ。
そして、そんな2人は互いに視線を合わせた。
｢あ、先生……ありがとうございます！｣
｢いいえ｣
簡単に手を振って応えた。暇潰しになら、丁度良い。
無理しない程度の個性の行使だったが──雀クラスなら余裕過ぎてお釣りが来るだろう。
｢優しい先生｣
｢それは違うと思うが｣
｢違うの？｣
｢うーん。……まあ、それでも良いか｣
｢雀は飼えないから、外に逃がすんだよ｣とだけAに言って、再び椅子に深く腰を落とす。
目の前で元気に逃げ回る鳥を、これまた元気に追いかけ回すAを眺めながら。
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:襟乃空ちゃん: - ほのぼのだなぁ(*^-^*)とか思ってたらすっごく感動しました！リアルで泣きました (11月14日 1時) (
レス) @page20 id: b670a6340b (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - オルバさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて大変光栄です！！＼(^o^)／私も彼らのようなほのぼのしたお話は好きなので、いずれは違う形で続編が書けたらいいなあと考えています！＼(^o^)／ (2017年12月25日 11時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
オルバ - すごく良かったです！確かにAOFの小説はないので、こういうのもいいなと思いました！ぜひ、この続きの作品も書いてほしいです！お願いします！！ (2017年12月25日 11時) (レス) id: 87aa7ed573 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 令さん» 最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！！その後のことを考えてにやにやしてもらえるとは、執筆冥利に尽きます！！パパになるってきっと難しいですよね。そんな葛藤ものをこれからも作品にできたらなあと考えてます！ありがとうございました！！ (2017年10月29日 17時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 詩乃さん» 最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございます！他の作品でも暖かなコメントをしていただき、本当に支えられました！少しでも誰かの心に残るような作品作りをこれからも目指して、頑張ります！！ (2017年10月29日 17時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年10月22日 8時
