１０：鎖が切れた ページ10
巨大な刃物を身体から造り出し、高速で荼毘たちに向かって飛ばしてくる男。
荼毘とAは持ち前の行動力で何とか回避するが───内心ギクシャクだった。
例えば、荼毘が左に回避したとしよう。万が一、その時Aが右に回避したら？
下手したらそれだけでこの脆く細い鎖は切れてしまうかもしれない。切れないにしても、あの刃物から切断されるのは目に見えていた。
｢ほらほら！！｣───刃をめちゃくちゃに、だが的確な意図を持って振り回す男。
その無慈悲な攻撃は、容赦なく民間を崩壊させていく。
｢くらえ……！！｣
荼毘が強力な炎を瞬間的に生み出し、放出する。傍にいたAが｢熱いじゃない！！｣と怒鳴ってきたが、無視を決め込む。
だがそんな炎も、刃の男には届かなかった。
──刃物で防がれてしまったからだ！
｢くそ、もうちょい火力あげれたらな……｣
｢私の個性、あいつと相性悪そうだしね｣
刃が高速で、風のようにAの横を掠めていく。──荼毘がAの手を引っ張り、間一髪で回避させたのだ。
｢さわらないで！｣とがなるA。｢腕は引っ張るっつったろ？｣と高圧的な荼毘。
ああ、違うんだよなあ。こうじゃないんだよね。なんて本当は内心考えながら、それでも素直に成りきれない。
何かしら二人を変えたのは、この拙い命の鎖。短い期間。
｢逃げ回るだけか？｣
刃の男の攻撃は、一方的に激しさを増していく。
荼毘はAの前に立つと、炎の勢いと火力だけで刃の軌道を変え続ける。
Aは｢私が死んだら困るもんね｣と皮肉を吐く。違うなあ、こんな可愛くないことを言いたいんじゃないんだけどな。なんて少し思いながら。
｢だって今まで『嫌い』って胸張って言ってたんだもん。『生理的に無理』って言ってたんだもん。……『一生仲良くならない』って啖呵切った手前だもん｣
｢言える訳ないよなあ。出した手引っ込める見たいな真似｣
素直になれないまま、戦闘は続く。どちらも一切気なんか抜けなかった。
だから抜いてなどいなかった────はず。
突然、二人が立っていた地面から刃が空を穿つように飛び出してきて──二人は揃って空中に回避する。
だが、刃の突き出してくるスピードはさらに速かった。
鋭過ぎる刃の切っ先は、見事に二人を繋ぐ鎖に当たると、
ぷつん、と簡単に切断してしまった。
１１：それでも切れないものが出来た→←０９：敵と鉢合わせ？！
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 潤さん» わわわ……！私には勿体なすぎるお言葉です、ありがとうございます！！むしろアトガキが描きたくて作品を作っている節さえあるので、そう言って貰えると本当に嬉しいです……！ (2019年12月27日 20時) (
レス) id: eefdfb2ae4 (このIDを非表示/違反報告)
潤 - 作品も凄い好きで素敵だったんですけど、最後のあとがきで『うっわ、この作者さんなんて素敵な良い人なんだろう』って思いました笑最高でした！！ (2019年12月27日 20時) (レス) id: 0dc7e5e45e (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - のんさん» んんん！！！そうです〜！！私が描いたものです〜！！(*´Δ｀*)そう言われるとめちゃくちゃ嬉しくて照れてしまいます〜！ありがとうございます〜！！(っ`ω´c) (2019年10月19日 0時) (レス) id: eefdfb2ae4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - あのすみませﾝﾝﾝﾝ、もしかして作品のイラスト、かぁびぃさんが描いたんですか?!もしイラストのお仕事をする様になったら依頼したいくらいです//// (2019年10月19日 0時) (レス) id: 00a0086648 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - あぐさん» コメントありがとうごさいます！死柄木バージョンも楽しそうですね！！(*´∀`)♪この作品をシリーズ化することがあれば、次はぜひ死柄木でやってみたいと思います！(*´ω｀*) (2018年2月26日 22時) (レス) id: f00a385698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年10月20日 18時
