カラスが三羽 ページ3
夜中、と言っても皆が寝静まった時間帯。
治崎はひとりあのケージのある部屋に戻ってきた。鍵も何も掛かっておらず、酷く無用心だなと治崎は思う。
きいっと扉を開けて暗い部屋を覗き込めば、廊下の明かりが部屋を照らす。治崎の影を残しながら。
───変わらず檻には少女がいた。大変窮屈そうだが、何だか変に様になっている気もする。
｢やっぱり、見間違いなんかじゃない｣と治崎は確信した。──人間が、いると。
｢かいくん。かいくん｣
不思議なこともあるものだと、目を疑う。
少女はまた、嬉々として治崎に話しかけてきた。今度は逃げずに、少女の言葉に耳を傾ける。
｢かいくんだよね？｣──なぜ名前を知っているのか。彼女は治崎をかいくん、かいくんと呼ぶ。
｢かいくん。かいくんこのとびらをあけてくれない？｣
彼女はそう笑顔で笑う。治崎も治崎で、どうしたらいいかわからず……だが少しずつケージに近付きながら、手を伸ばした。
鍵が掛かっていて、開かない。部屋に鍵はかけないくせにと治崎は少しだけ呆れた。
──個性を使って、無理矢理ケージを『分解』する。修復はまだまだ苦手だが、壊すのだけは、昔から大得意であった。
彼女がケージと言う名の檻から飛び出し、治崎に飛び掛かる。これにはたまらず治崎も｢わっ！？｣と間抜けな声を漏らしてしまった。
のし掛かってきた少女は、ずーっと笑顔のままだ。
それに、何処か獣臭い。犬猫好きが放つ臭いとでも言えば良いのか。ケージがもともと臭かったせいか、解らない。
───なんにせよ、治崎の受け付けない臭いに違いはないが。
｢おい、退けろよ｣
｢………｣
｢ちゃんと出してあげただろ……っ！ 退けろってば｣
｢ねえ、かいくん。かいくん｣
少女は話を全く聞かない。どころか治崎の手を握ると突然無理矢理その場から立たせた。
全く理解が追い付かないでいると、少女はまた｢ねえ｣とようきな声を出す。
｢わたしをつれて、にげだして！！｣
｢……は？｣
───一夜だけの、世にも不思議な物語りが始まる。
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます！一重に皆様のお陰です！この結果に傲らず、頑張っていきたいと思います！！ (2017年11月27日 5時) (携帯から) (
レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - かぁびぃさん、ランキング最高４１位おめでとうございます。 (2017年11月26日 20時) (レス) id: 52dd8ac394 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 唐揚げちゃんさん» ありがとうございます！！常に頭の中には妄想と想像でいっぱいなので嬉しいです(笑)これからの展開が楽しみと言ってもらえて、最高に励みになります！短いお話になると思いますが、ぜひ気ままにお楽しみください！ (2017年11月26日 18時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げちゃん - かぁびぃさんはどうしてこんなにすぐ面白い作品を作れるのか驚きです(゜д゜) これからの展開が楽しみです！頑張ってください！ (2017年11月26日 17時) (レス) id: a1d6c9a5fb (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - クロスさん» ｢解せぬ｣──そんな治崎さんが目に浮かぶようです(笑) 音本さんの作品ではありがとうございました！！書きたい話がたくさんある駄作者さんです＼(^o^)／早くも新作に来てくれて本当に感謝です！！ (2017年11月26日 14時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年11月26日 12時
