カラスが二羽 ページ2
ご飯が済んだ頃だろうか。
施設で働く大人の一人が、嬉々として籠を部屋に持ち込んできた。──動物の匂いがして｢また猫か何かか｣と治崎は思った。
ここの人間は、なぜか動物が好きらしく……いつも他の子供がばか騒ぎしながら動物を取り合い、また遊んだりしながら、最終的には死なせてしまう。
子供は加減を知らず、また残酷なのだ。
前に一度、死にかけた猫を助けようとして治崎が猫を『分解』したことがあった。
あの時は生き物に個性を使うのは初めてで、上手く『修復』されずに──目も当てれない姿にさせてしまった。
──でも、猫だったものはまだちゃんと生きていて、周りの子供はぎゃんぎゃん泣き、大人は治崎を叩きながら怒り……そのあと彼らも泣いた。
｢もうやらない｣と治崎は思った。別に悲しかった訳ではない。猫が死んだり変形したからなんだと思っていたからだ。
誰も治崎に命の大事さを教えたりはしなかった。だから彼は知らない。
ただ、離れていく皆を見て一抹の寂しさは感じた。
｢わあ！ すげー！！｣
｢ねえねえ！ どこにいたの？！｣
連れてこられたであろう動物に群がる子供を横目に見ながら、治崎は隅っこで本を読み続けていた。──可愛くないと思われたかもしれない。
ただ、全く気にならない事もなくて。なんと無く視線をそちらに向けた。
｢……っ？！｣
驚きのあまり、しばらく目が動かせずにいた。
子供が群がる小さなケージには……人間が入っていたからだ。
さすがに異常な状況だと言うことに治崎も気付く。
だが、誰も何も言わない。｢可愛い｣と言いながらケージに手を伸ばしている。
ケージの中はあまりに狭く、格子に肉が食い込むようにして人間はそこに入っていた。まだ小さい……なんなら自分と同じくらいだろうか。
ケージの中の女の子は、狭いだろうその中で首を無理矢理動かしながら治崎を見た。思わず固まる。
とても良い笑顔で｢ねえねえ！｣と話しかけてきた。
あまりに奇妙な状況過ぎて、治崎は思わず逃げるように部屋から飛び出した。
｢なによあの子｣
｢可愛くないわねえ｣
……そんな陰口を聞きながら。
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます！一重に皆様のお陰です！この結果に傲らず、頑張っていきたいと思います！！ (2017年11月27日 5時) (携帯から) (
レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - かぁびぃさん、ランキング最高４１位おめでとうございます。 (2017年11月26日 20時) (レス) id: 52dd8ac394 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 唐揚げちゃんさん» ありがとうございます！！常に頭の中には妄想と想像でいっぱいなので嬉しいです(笑)これからの展開が楽しみと言ってもらえて、最高に励みになります！短いお話になると思いますが、ぜひ気ままにお楽しみください！ (2017年11月26日 18時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
唐揚げちゃん - かぁびぃさんはどうしてこんなにすぐ面白い作品を作れるのか驚きです(゜д゜) これからの展開が楽しみです！頑張ってください！ (2017年11月26日 17時) (レス) id: a1d6c9a5fb (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - クロスさん» ｢解せぬ｣──そんな治崎さんが目に浮かぶようです(笑) 音本さんの作品ではありがとうございました！！書きたい話がたくさんある駄作者さんです＼(^o^)／早くも新作に来てくれて本当に感謝です！！ (2017年11月26日 14時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年11月26日 12時
