◇ ページ9
｢すまない。トウヤ｣
追い付いたAが、そう窃野に声を掛けた。
窃野はちょっとつまらなさそうな顔をしたあと、バッグを投げてAに返す。乱暴な返し方だった。
｢しかし、なぜこんな場所にお前がいるんだ｣
｢どうだって良いじゃん｣
｢どうでも良くないから聞いているんだ。ストーカーか、お前は｣
そんなやり取りを繰り返すが、今日の窃野は些か冷めている気がした。取り付く島も無いと言わんばかりである。
尚も言葉を募ろうとしたAに、窃野は｢ちょっとはさあ｣と言葉を紡ぐ。
｢必死になれよな。
無駄だ無駄だ言いながら、諦めてるだけじゃん｣
やる前から諦める大人。だが大人はそれを『無駄』や『合理的』と言う言葉に隠してしまう。
一生懸命やって、それでも駄目だった人間から見たそんな成功者はどう映るのだろうか。
妬みだろうか。それとも──滑稽に映るのか？
｢何が言いたい｣Aがそう窃野に聞いた。だが、それはうやむやのまま、はぐらかされる。
窃野本人も、何に自分が苛々してるのか解っていないらしい。それを言葉に出来るほど、窃野の語彙力の引き出しは充実してはいないのだ。
｢次、簡単に諦めたら｣
本物のﾞ天才窃盗犯ﾞはそう切り出した。
｢今度は──俺があんたの大事なもん盗むからな｣
そう振り返る、くちばしをつけた整った顔立ちの青年。
夜の世界に焼き付いていて、そのままAの視界ごと盗んで行ってしまいそうだった。
ﾞ諦めるﾞ
次は何を諦めるのだろう。Aはふとそう思った。
彼の世界が些か気になる。知りたいと強く思う。言葉足らずなのに嫌に核心を突いてくる彼の世界が知りたいと思うのだが───。
結局また諦めてしまいそうだなと軽く自嘲した。
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - プリン★スポ隊副隊長兼信者兼かぁびぃ(駄作者)愛し隊さん» スポンジ作品ではいつも世話になっております……！！＼(^o^)／名前が……！！その、本気で駄作者が調子に乗ってしまいそうなお名前になっていて、喜びで舞い上がりそうに……！！(半狂乱) (2018年1月14日 23時) (携帯から) (
レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
プリン★スポ隊副隊長兼信者兼かぁびぃ(駄作者)愛し隊 - こちらこそ！こんな素晴らしい作品を作っていただきありがとうございます！！あ！ちなみに、元 プリンです！ (2018年1月14日 22時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - プリンさん» コメントありがとうございます！＼(^o^)／いつもギャグ作品にて暖かな言葉を掛けて下さって頂き、本当に励まされております……！いい作品と言って頂けて光栄です！かなり堅苦しく読みにくい文章ですが、これからも宜しくお願いします＼(^o^)／ (2018年1月7日 10時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
プリン - なんていい作品なんだ・・！あなたは何でそんなにいい作品が作れるんだああああああ！！すげぇ(キラキラ (2018年1月6日 23時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 令さん» コメントありがとうございます！以前からずっと気になっていた男主なるものに挑戦して見たのですが、やはり慣れない世界でなかなか難しいです(T-T)話も終盤に差し掛かりましたが、これからも気ままにお楽しみ下さればと思います！いつも暖かなコメントありがとうございます！ (2018年1月3日 15時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年12月9日 12時
