05：心操と爆豪 ページ8
｢爆豪さん、申し訳ありません。貴方の身体と存在を……少しだけ、私に貸してください！｣
私はひたすら街の中を走る。やっぱり、何だか走るのは苦手みたいで、何度も躓いては顔面から倒れ込んだ。
｢ひええ｣と立ち上がり、何度も服を綺麗にする。この動作をもう何回やったから解らない。
｢……｣
知っている。なぜ私がこの街を知っているのか。それは爆豪の身体だからか。
──違う。私は、この街で生きていたんだ。
行き交う車を尻目に見ながら、私は、ただただ街の中をぶらぶら歩く。走るのはやめた。何故なら必要以上に転けるから。
｢私、やっぱり死んでるのかも｣
死んだら、生きてる人に取り憑くとか、きっと出来る。──追い詰められていた私は、そんなことを真面目に考えていた。
怖い。自分が誰か解らないことが。男か女かも解らない。生きてるのか、死んでいるのか。
そもそも本当に存在するナニカなのか。解らないのだ。
────すると、拳が半ば勝手に動いた。動いた拳は、私の右の頬っぺたを殴り飛ばす。
頭がぐらぐら揺れた。何が起きたかさっぱりわからない。
ビックリした。この身体の本当の持ち主『爆豪』は、くよくよしている自分がそんなに許せないのか。無意識に自分を殴り飛ばしたとでも、言うのだろうか……？
｢(不思議なひと。……爆豪、か)｣
きっと豪快で、強い存在なんだろう。私はそう思った。
そのどれも、きっと私にはないものだ。だから、こんなに眩しく見える。
｢……眩し、い？｣
そう言えば、私は寒くて暗い場所にいた気がする。そうだ、だからコンプレスに成っていたとき、あの部屋の明るさに驚愕して……震えあがった。それにプラスして、自分が解らない不安である。
｢暗い場所……！｣本能的な勘。私は、辺りを見渡す。
｢この街に、暗い場所は｣
大きな街。暗い場所なら山ほどある。日陰、地下、裏路地……。
｢裏路地｣
明るくない、寒い場所に私はいた。それが何処か解らないが、たぶん裏路地だったような気がしてきた。
じめじめしているんだ。じめじめしていて、寒くて、寂しい。そんな場所。
地下ではない。そう言う暗さでは無かった。
｢思い出してきたわ……でも、なぜ裏路地だって思ったのかしら？｣
裏路地に良いイメージは何もない。──何だか、自分が何者か解るのが、少しだけ怖くなった。
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 花藺さん» 最後まで閲覧して下さりありがとうござました！！！！(*´ω｀*)今回も色々ありましたがなんとか完結させることが出来ました……！！ここまでこの作品にお付き合いして下さり大変感謝です！！(*´ω｀*) (2018年8月25日 0時) (
レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 夜桜瑠奈さん» ラストまでお付き合い下さりありがとうござました！！！！まさかバッチリ予想されていたとは……！お見事です……！！！またこんな雰囲気の作品が書けたらなあと思います！ありがとうござました！！！！(*´ω｀*) (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - か○ぴすさん» 最後まで閲覧ありがとうござました！！！！なんとか完結させることが出来て良かったです……！そう言って頂けると書き手として最高に嬉しいです！ありがとうござました！！！！ (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - クロスさん» 最後まで閲覧ありがとうござました！！成り変わられたような不思議な縁でしたので、そこばかりは根性(？)で乗り越えてほしい感はあります(；´・ω・)手袋厳重に付けて連れ帰って、割と面倒はクロノが見るのかも知れませんね(；´・ω・) (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
クロス - 完結おめでとうございます!!最後でもし、もしもオバホルートだったら潔癖性はどうなってしまうのでしょうかね。 (2018年8月24日 21時) (レス) id: 22ec0e9537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2018年1月29日 21時
