◇ ページ17
最初は周りの小さな音にすら過剰反応し、纏まらない思考に恐れを感じたものだが、今は──それこそ完全に克服したわけではないが──なかなか普通に活動できていると思う。
それから足取り軽くいくつかの路地を見て回った。どれも大した結果には行き着かなかったが、無駄ではない。次から調べる場所が減ったのだから、少しずつ前進はしているだろう。
ただ、時間がないかもしれない。というか焦りだけは積もっていく。
今も体の感覚を研ぎ澄ませると、覚えの無い寒気に駆られるのだ。『本当の自分』に何かが起きているのは明白。──下手したら既に手遅れの可能性さえある。
「……あ」
「ん？ どうした？」
そのとき、何か言い様の無い感覚が脳裏を駆けた。ここは何の変哲もない、ただ人の通りはそこまで多くない路地だ。
何か、引っ掛かるものがある気がした。それが何なのか特定するべく私は辺りを見渡す。
肉倉が再び「どうした」と私に声を掛けた。それに頷くだけで返事を返し、私は一歩足を前に出した。
なんてことは無い。若干日陰になっている場所にゴミ捨て場があるだけだ。鳥避けのためか使われていないCDディスクがいくつかぶら下げられていて、猫が寄り付かないように高い音を出す機械が側にひっそりと設置されている。
「……これがどうかしたか？」
この光景を見ていると、妙に悲しいこと気持ちになった。あまり積まれていないゴミ袋、掃除が行き届いているのか綺麗な道、なにもかもに。
「……この辺りを知っている、のかも」
「それは本当か？」
肉倉がそう返事を返したのと、私が先に走り出したのはほぼほぼ同時だった。
彼が後ろから「こら、待つのである！」と呼び掛けてくるのは至極当然だろう。右も左もわからない上に友人の身体を好きに使う存在が唐突に駆け出せば嫌でも声を荒らげるに違いない。
「好奇心は猫を殺すと言うぞ！ 迂闊に走り回るのは得策では──って、もう姿が見えないのである……」
直感の赴くままに駆け出してしまった私を探すように、肉倉は溜め息をひとつ吐きながら駆け出す。
だが、私はまた１つ確信できたことがあった。
──私は、人の暖かさを知っていると。
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かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 花藺さん» 最後まで閲覧して下さりありがとうござました！！！！(*´ω｀*)今回も色々ありましたがなんとか完結させることが出来ました……！！ここまでこの作品にお付き合いして下さり大変感謝です！！(*´ω｀*) (2018年8月25日 0時) (
レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 夜桜瑠奈さん» ラストまでお付き合い下さりありがとうござました！！！！まさかバッチリ予想されていたとは……！お見事です……！！！またこんな雰囲気の作品が書けたらなあと思います！ありがとうござました！！！！(*´ω｀*) (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - か○ぴすさん» 最後まで閲覧ありがとうござました！！！！なんとか完結させることが出来て良かったです……！そう言って頂けると書き手として最高に嬉しいです！ありがとうござました！！！！ (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - クロスさん» 最後まで閲覧ありがとうござました！！成り変わられたような不思議な縁でしたので、そこばかりは根性(？)で乗り越えてほしい感はあります(；´・ω・)手袋厳重に付けて連れ帰って、割と面倒はクロノが見るのかも知れませんね(；´・ω・) (2018年8月25日 0時) (レス) id: 80882f2135 (このIDを非表示/違反報告)
クロス - 完結おめでとうございます!!最後でもし、もしもオバホルートだったら潔癖性はどうなってしまうのでしょうかね。 (2018年8月24日 21時) (レス) id: 22ec0e9537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2018年1月29日 21時
