忘却の星が馳せる(ゴクウブラック) ページ9
星が真っ直ぐに夜空を駆けた。
そして、ほろりと星屑を落とす。
かくも美しき、その物悲しさを称えながら。
冬の夜空は夏のような蒸し暑さや虫の鈴の音も無いほど味気無い。
しかし、味気ない空には張り詰めた冷たいだけの空気に輝く星があるだろう。月もあるだろう。
夏の夜空とは違う世界が冬の頭上には広がり、また誰に言われるでもなく涙を流す。
今日は、冬季の流星群。
だが流星群とは名ばかりで――良く良く見なければ流れた事すら気付かない寂しい光景だ。
都会のビルに囲まれたこの近辺で、今時こんな味気ない空を見ている人なんかいるのかとAは思う。
｢ブラックは、流星群を見てどう思う？｣
夜の庭はかなり冷え込んだ。完璧な防寒対策をしても寒いほどである。
だが庭の芝生に座るAの横。寝転がって空を黙って見つめる黒い彼は驚く程に軽装で。
寒くないのかと、思わずにはいられなかった。
｢どう思うとは？｣
ブラックと呼ばれた彼は興味の無さそうな瞳をしながらも、Aと会話を成り立たせる。
黒い装束に身を包むせいか、夜空どころか夜そのものに溶けてしまいそうな彼の服をAはゆっくりと掴みながら｢うん｣と答えた。
｢まるで、空が泣いてるように見えないかなって｣
空を見ながら、ぽつりと呟く。
そんなAの言葉にブラックも｢なるほど｣と返事をした。
組んでいた足を組み換え、手を頭の後ろに回したまま｢面白い発言だ｣とAを見る。
｢そうだ。空は泣いてる。
人々の願いを一身に受け、そして忘れられた哀れな空の…最後の煌めきだ｣
――また一つ星が馳せた。
｢じゃあ私も、流れ星に願い事をしようかな｣
｢何をだ？｣
そう言うブラックの顔を、Aは目を剃らさずに見詰めた。
そして｢秘密｣と小さな囁く。
｢やめておけ。星に願いなど｣
そう示唆すると、次はブラックがAに近付いた。寝転がった身体の上半身だけをお越し、座る一歩手前の体勢。
そして月に照らされるAの髪を優しく触る。
星を信じるよりも、ずっとずっとロマンチックな展開だなとAは目をゆっくり閉じた。
｢確かに、七つ集めれば願いが叶う珠はある。
代価と引き換えに願いを叶える存在もいる。
ただ、
祈るだけで願いを叶えてくれる都合の良い星は、私の世界にもなかったぞ｣
星はまた馳せるだろう。
小さく一瞬だけの火種を燃やし、夜空で焼き付き消えるだろう。
｢少しだけ、ブラック見たいね｣
｢奇遇だな。ちょうどお前みたいだと思ってたところだ｣
忘れられた幾万の馳せた星。
思い出すことは、きっとない。
君の名前はね・続(ジレン) ☆シャルア様リクエスト→←大人の味は、渋くて甘い(キャベ×ヒット) ※腐向け注意
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森田菜々子 - かぁびぃさん、質問です。ジースさんとバータさんはオッドアイの事を知らないですか？ (2017年10月12日 19時) (
レス) id: 9111a5cce1 (このIDを非表示/違反報告)
サブ、ブラックの嫁(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» Ｚハードって滅茶苦茶ランク上がりますよね( ´∀｀) (2017年9月8日 19時) (レス) id: 4f6034e91d (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - サブ、ブラックの嫁さん» 初めて1ヶ月くらいですが、現在ランク86くらいです＼(^o^)／Ｚハードに行ってたら、なんかがっつり上がりました(笑)(^^)d (2017年9月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
サブ、ブラックの嫁(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» 他のユーザーさん方が羨ましいです( ´;∀;｀)所で、ドカバトランクどれぐらいですか？私は最近51になりました(^^) (2017年9月8日 19時) (レス) id: 4f6034e91d (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます！やっとベジットが来て嬉しいです〜＼(^o^)／ (2017年9月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぁびぃ(駄作者) | 作成日時：2017年8月14日 14時
