「助けて」と言える背中があったなら(ジーヴル) ページ12
※別作『http://uranai.nosv.org/u.php/novel/kavi05050505/』世界観。
目の前で死んでいく、罪もない人々。
嬉々として殺しているのは、自分の同族達。
フリーザ一族。
宇宙一の戦闘種族。カリスマがあり帝王然としていて、冷酷で卑劣。
そして、残酷な美しき侵略者たち。
ジーヴルは笑う膝を無理矢理立たせる。――が、また崩れ落ちた。
目の前では、自分が追い詰めた傷だらけの男性がいる。この星の数少ない戦士だが、生まれながらに戦闘力の高いフリーザ一族には手も足も出なかった。
落ちこぼれと称されたジーヴルですら、簡単に捻り殺せる程度である。
つくづく自分が嫌になった。自分の中途半端さを呪った。
倒せても殺せないのでは、本当に一族では価値がない…ゴミだ。そう、ゴミとなんら変わらない。
「はあっ、はあっ…」
殺さなきゃと思えば、足がすくむ。周りの血の臭いに頭が真っ白になる。
目の前の戦士は、動かない。だがまだ生きていた。
体が震える。
なんで殺さなきゃならないんだ。
侵略なんてしたくない。誰も殺したくない。
こんなの、間違ってる!!!
そう解っていても、フリーザ一族では異端に変わりなく、証明するだけの力もなかった。
人間の齢にして15歳程度の士官学生は、ただ震えるばかりで逃げ出す事も敵わずに――泣いてしまいたくなった。
助けて、と泣き付ける背中が欲しかった。
戦火の中、まだ見ぬ背中を探した。
すると、鎧が鳴る音が聞こえてきて――ジーヴルは身体を縮める。
黒い鎧を纏う、体格の良いフリーザ一族。黒い手袋をした手は腰のサーベルに回されていて、冷たい目をしていた。
ヒーローとしての能力を有する、最強の軍人。
「ぐ…グラシアル大佐相当官殿……」
震える声色で、相手の名前だけを呼ぶ。
グラシアルと呼ばれた彼は無言でジーヴルに近付くと、その腕を痛いまでに握り締めた。
「!」――驚く間もなく握られたジーヴルの手から"スピリッツソード"が伸び出た。
ジーヴルの得意技だ。だが、本人に出す気は全くない。
無理矢理グラシアルから能力を引き出されたのだ。
「やめてください…」
何をされるか解ってしまい、思わずそう乞う。
だがグラシアルは躊躇無くジーヴルの腕を、目の前の男性目掛けて振り下ろさせた。
「やめてください!!!」
思わず出した大声より、刃が男性の首を落とす方が速かった。
息が出来ない。血の臭いが魂の刃から漂う。
声を上げて泣いた。したくなかったと喚いた。
だが、その声は爆音と大佐の鎧の音に掻き消えていた。
…彼が脱走するのは、もう少し先のお話。
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森田菜々子 - かぁびぃさん、質問です。ジースさんとバータさんはオッドアイの事を知らないですか? (2017年10月12日 19時) (レス) id: 9111a5cce1 (このIDを非表示/違反報告)
サブ、ブラックの嫁(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» Zハードって滅茶苦茶ランク上がりますよね( ´∀`) (2017年9月8日 19時) (レス) id: 4f6034e91d (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - サブ、ブラックの嫁さん» 初めて1ヶ月くらいですが、現在ランク86くらいです\(^o^)/Zハードに行ってたら、なんかがっつり上がりました(笑)(^^)d (2017年9月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
サブ、ブラックの嫁(プロフ) - かぁびぃ(駄作者)さん» 他のユーザーさん方が羨ましいです( ´;∀;`)所で、ドカバトランクどれぐらいですか?私は最近51になりました(^^) (2017年9月8日 19時) (レス) id: 4f6034e91d (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - 森田菜々子さん» ありがとうございます!やっとベジットが来て嬉しいです〜\(^o^)/ (2017年9月8日 19時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぁびぃ(駄作者) | 作成日時:2017年8月14日 14時