検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:17,308 hit

彼の名は『キャベ』 ページ9

突然現れたその人物は、踊り場の先にある廊下の窓から飛び込んできたようだ。

彼は異星人の前に現れたかと思うと、瞬く間にそいつに組技を掛け床に押さえ付けた。


「(速い!)」


セロはその人物の動きを見て、思わずそう叫びそうになった。

異星人は「離せ離せ〜!!」と叫び声を上げるが、組敷く彼は全く手を緩めなかった。


「皆様の方が、一足速かったようですね」


異星人を押さえながら、そう彼が微笑む。
Aはハッと我に返ると「ああ。まあね」と生返事を返した。


「よくコイツのいる場所がわかりましたね」

「君と同じ理由で、だと思うよ」


Aがそうクスクス笑いながら答えた。
「各言う君は、コイツに何の用があって?」


「それも、あなた方と変わらない理由かなと思います」

「なるほどね」


暫くそんな会話を続けた後、セロがたまらず聞いてみた。

お前は強いのか、と。


「…セロ?」


男の子は何回か瞬きすると、ゆったり頷いた。


「結構、強いんじゃないかなとは思います。

僕、元の世界では防衛の仕事をしていましたし」


その言葉に、次はAが飛び付かん勢いで質問した。


「別の世界では?!やはり、この世界は私たちのいた場所とは違うのね」

「なんと、皆様も迷い込んでしまった口ですか!」


まさかこんな場所で、この世界の手掛かりを掴んでいそうな人物に会えるとは運が良い。そうAは考えた。


「あ、僕…キャベって言います」


思い出したかのように男の子が自分の名前を二人に告げた。
――好印象な少年だとセロにも思えた。


「私は、超エリートのセロだ」

「私はA。元の世界だと管理施設直属の部隊隊長を勤めていたわ」


そう言いながら、互いに笑顔を見せた。
――唯一笑顔ではないのは、キャベに組敷かれている異星人くらいだろうか。




「あの、これはどう言った状況なんでしょうか…?」


セロとAがあまりにも遅いからか、ジーヴルが廃墟の中に上がってきたらしい。
謎の光景を前に、頭を捻った。


「うわ、フロストさん――?!」


キャベが思わずすっとんきょうな声を上げたが、すぐに人違いだと気付いたらしい。
すぐに「あ、すみません!!」と謝った。


「…誰かに似てた?こいつ」


キャベが「苦い思い出のある方に少々…」と申し訳なさそうにした。


「いいえ。話は後聞かせてもらうにして…」――ジーヴルが異星人を見ながら問い掛けた。


「彼が伝説の殺し屋なのですか?」


そんなジーヴルの言葉に、キャベが答えた。


「いいえ。本物の"彼"はこんなレベルではありません」

そう、笑顔で。

【番外編】アルビノのナメック星人 ☆あか様リクエスト→←謎の人物、あんたは誰だ!



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - あかさん» ありがとうございます!色々と不安があったのですが、安心しました!!マイカくんが可愛くて素敵でビックリです\(^o^)/イラストまで閲覧して頂き光栄です!ありがとうございました!! (2017年8月8日 14時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
あか - ありがとうございます!!( ゜д゜)、;'.・マイカ可愛すぎか!!(゜▽゜*)ジーヴルくんが普通にイケメン過ぎてビビりましたwwかぁびぃさんイラスト上手いっすねw (2017年8月8日 14時) (レス) id: 337ce1f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - あかさん» 丁重にありがとうございます\(^o^)/頑張りますね!! (2017年8月7日 6時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)
あか - 取り敢えずおどおどしておけば問題ありませんwwありがとうございます!(゜▽゜*)w (2017年8月7日 4時) (レス) id: 337ce1f3d3 (このIDを非表示/違反報告)
かぁびぃ(駄作者)(プロフ) - あかさん» ありがとうございます!!ジーヴルは淡々とした口調になるよう心がけてるので嬉しいです\(^o^)/マイヤくんですね、承りました!口調などに若干違和感を感じると思われますが、大丈夫でしょうか? (2017年8月7日 4時) (携帯から) (レス) id: 87e86307e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かぁびぃ(駄作者) | 作成日時:2017年8月6日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。