真選組子育て奮闘記。

お絵かき　　山崎side ページ45

「Aちゃん・・・



今回だけは総悟を許してやってくれ・・・」









「近藤さんの言うとおりだ。









…・・・今回だけは。」









「むーーー」








いじめられる沖田隊長ってレアだなおい。








そう思っていると、
Aちゃんの手の中に
握られた一枚の白い紙。









「ねえ、Aちゃん。









・・・それ何？」









そう聞くと怒り顔から一転。


ちょっと恥ずかしそうになった姫様。









「へえ―なんか恥ずかしいもんなんですかィ？」









「あ！おにーたんダメ！」









…隊長。



なんで怒られてる身で紙強奪という手段に出ちゃうかなあ・・








ドSってタチ悪い。









「あ・・・・」

「これ・・・」









隊長が開けた紙には４人の人の絵。








みんな黒い服を着てて、
ゴリラに似た人、マヨネーズを持った人、
バズーカを持った茶髪の人、あんパンらしきものを持った








・・・・たぶん、これは俺。








決してうまいとはいえない絵。







でも。









「・・・それね、きのうのよるかいたの。
おにーたんにみられそうでびっくりしちゃったのに


・・・いまみられちゃってる・・・






も――おにーたんほんとばか！」








ごもっともで。






それぞれの家族名の上に書かれた文字。









『だいすき』









みんなの顔が優しく緩む。









唐突に、副長がAちゃんをぎゅっと抱きしめて。

こーゆーの実は一番弱い人だから感極まっちゃったのか。
その姿は、ただのお父さん。







沖田隊長がAを奪い返そうとして。




・・・いつも道理の対抗心。
でも、今日はちょっと副長の方が有利かな。
意地悪しすぎですお兄ちゃん。







局長は絵を持ったまま大号泣。







大事なものだから、汚さないでね。その絵。
涙腺弱いとは…どこまでもお爺ちゃん。









・・・そうそう、やっぱこうでなくちゃ。









ここが、Aちゃんに一番合った家。









それに、俺たちにもAちゃんは必要不可欠で。









この子がこれからも、真選組でのびのび育ちますように。









・・・俺はそう、心から願った。

数年後。　　　　貴女side→←いつもの。　　山崎side

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