真選組子育て奮闘記。

不幸？　　山崎side ページ31

「ねえ―けらい―」


「な、なに？」









どうしても返事が
ぎこちなくなってしまうのはなぜか。








ここ数日副長や隊長の空気が
異様なくらいぴりぴりしてるわ、


局長は落ち込むあまりストーカーを
休んでしまうわで


真選組全体が暗い。





もちろん理由は分かっているし
なぜ三人がAちゃんを
養女に出すという結論に至ったのかも
知っている。









でも。









本当にその結論が、Aちゃんを幸せに導くのか。









・・・・俺にはどーにも引っかかる。









今でも、十分幸せそうなのだ。




それに、Aちゃんがいることで
みんなも、幸せであるように見えていた。









むしろ今回の決断は・・・・









「けらい・・・・A、なにかおとしゃんたちにしたのかなあ・・・」









「え？どうして？」









「みんなね、さいきんおかしいの。
おにーたんもあそんでくれないし、
おとしゃんも、おじーちゃんも、かなしそう。








・・・・みんなね、Aみると、そうなっちゃうの・・・」









ものすごく、不安げな表情。









本当に、この子は勘が鋭い。









・・・・いや、勘が鋭いのではなく、






それだけ大好きな人たちの表情を



よく見ているということか。









・・・・むしろ、今回の決断は、









みんなにとって幸せなのだろうか。









Aちゃんにとって、大好きな人と離されて、



全然知らない人達の家で暮らすことが、









・・・・・幸せと、呼べるのだろうか。

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