真選組子育て奮闘記。

わるもの　　土方side ページ26

｢・・・っ！？
総悟テメエ何言って・・・っ！？」









耳を疑う総悟の言葉に
思わず胸倉をつかみ上げる。









｢ついに耳まで遠くなりやしたか土方さん。
さっき聞いたまんまでィ。

Aを幕府のお偉いさんの養女にすることに俺ァ賛成。

それだけでさァ。」









｢寝ぼけてんのか？」









いつものおちょくった態度のこいつじゃない。

まるで光のない瞳。









｢・・寝ぼけてんのは土方さんでさァ。
あっちは金もたんまり持ってるんでしょう？
いい暮らしして、いいもんたらふく食って
Aも・・・・









・・・・こんな所よりよっぽどいい暮らしができるってもんでィ。」









頭が白くなった。

ほぼ反射で総悟に手を振り上げる。









｢そこまでだ。トシ、総悟。」









それを止めたのは近藤さんの静かな声。









「こんなところで喧嘩していても
結論が出るわけじゃない。

この話はいったん俺があずかっておく。









…会議は、これで終わりだ。」









それだけ言って出ていく近藤さん。


総悟から荒々しく手を離す。









・・・・・と。









｢・・・・しょうがねーじゃ、ねーですかィ。」







｢あ？」









地面に倒れたままに
総悟が小さな声を発した。

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