真選組子育て奮闘記。

めいっぱい　　　　沖田side ページ23

チャイナと別れた後、




無言でAと夕焼けの中を歩く。









「A、マミーいないアルな・・・」









ぐるぐると回るこの言葉。






あんなチャイナの言葉に動揺しちまうなんざ。









でも、それが俺と言わず「俺らの」
Aを引き取った時の一番の不安。









俺は姉上が母親代わりだったとはいえ


その「母」としての存在が大きかったことは否めない。





女にとって「母親」とは
父や兄とはまた違うものであることも知ってる。









…というか、あのくそチャイナが一番分かっていたのだろう。









だからあの言葉にいつもの返しもできず、
馬鹿みてえに突っ立つはめになった。









・・・いまは、まだいい。



だが、もう少し大きくなって、

普通の家族、というものを知るようになったら。









・・・・他のやつらが母親に甘えている姿を、
嫌がおうにもみることになったら。









「おにーたん。」









「・・・・っ・・・何ですかィ？」









「て、つなごっ！」









輝かんばかりの笑顔。
さし出された小さな手。









俺の不安を、感じたのか。









「そう・・・ですねィ。」









右手に伝わるぬくもり。









俺は・・・俺たちは・・・



この小さな命に、本当に・・・・









・・・やってやれることを、最大限できているんですかねィ？

突然の来訪者　　山崎side→←マミー　　　神楽side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す