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物体は「決まりだ」と云い、頭を左右に動かした。
「コイツか?」
「....え?」
黒い渦から出てきたそいつ。
「コイツかなり良い闇を持っていますぜ」
すると、その黒い怪物は人間に近付き、そしてまたもや憑り依いた。
この人間よく憑り依かれるなぁ。
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『...?何?』
私がただ呆然と人間を見ていたところ、小さい物体達は何故か私の元に近寄ってきた。
「コイツ落ち着く」
「闇、うまそー」
「食べたーい」
『....闇って、これのこと?』
私はその物体達が云う“闇”を掌に出した。
すると、先刻よりも多くそいつらは私に近寄ってきて、「食べていいか?」など聞いてきた。
私は「別にいいよ」と云う風に頷いた。
すると一斉に物体達は私の掌目がけて飛び付き、何故かもみくちゃにされた。
「うまいうまい!」
「もっともっと!」
えー、面倒臭いなぁ。
『んー、じゃあ教えてよ。
あの人間が腕に着けてるヤツって何?』
私はそう言いながら人間の腕を指差した。
「あれは鬼眼ギア。俺達仲間に指示を出すことが出来るヤツなんだ」
「それよりもお前、なんて云う名前なんだ?」
「あー知りたい知りたい」
『君達やっぱグイグイ来るね....
私の名前は真白。覚えてくれてたら嬉しいな』
私は、もうお決まりになってるんじゃないかと思うようなそんな台詞を吐いた。
「真白....か。俺の名前はバグ」
「俺はツグ」
「俺はドグだー」
四つ目がバグで。五つ目がツグ。で、六つ目がドグか。
なんとも覚えにくいことで。
まぁいいか。少しだけの間だし。
『よろしくね、“バッド”』
私は三匹にそう呼び掛けた。
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作者名:朔平 | 作成日時:2018年7月29日 13時