爆豪勝己が雄英に行った理由。【爆豪勝己】 (ページ27)

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嫉妬と自覚。ページ27

天喰side

彼女にコスチュームを作ってもらってから1週間が経った。
かわいい、そんな発言をして以来、俺は彼女と会っていない。

通形「明日のヒーロー基礎学さ……」

天喰「……うん。」

あの時、彼女はどんな顔をしていただろうか。
絶対引かれたに違いないだろうな……。
考えれば考えるほど、胸が締め付けられていくのが自分でもわかる。

通形「環！」

天喰「え？！」

通形「大丈夫か？ぼーっとしてるけど……」

天喰「あ、いや……そんな事ないよ。」

『あ！！！！』

そんな会話をしていると、後ろから声がかかった。
振り返った先、そこには花咲さんが立っていた。

通形「あ、Aちゃんだ！」

天喰「え……」

俺は目も丸くした。
だって1週間前、ミリオは彼女のことを下の名前でなんて呼んでいなかったから。
なのに、この1週間で呼び方が変わっていた。

『ヒーロー基礎学終わったとこ？』

通形「そう！そうだ、帰りはなんか予定ある？」

『んー、ごめんねミリオ。今日も工房に行く予定なの。』

通形「あちゃー、じゃあまた今度でいいよ。」

天喰「……。」

2人を見て、胸のモヤモヤが止まらなかった。
締め付けられるような、苦しい感覚に襲われる。
正直、見ているのも辛かった。

天喰「……これって……。」

そうだ、嫉妬してたんだ。ミリオに。
俺だって彼女と仲良くなりたいのに、近づきたいのに。
けれど、俺みたいな奴がミリオに敵うはずがないんだ。

そんなことを考えていると、ミリオと話していた彼女が俺の方へと歩み寄る。
そして、俺の目の前で立ち止まった。

『それ、気に入ってくれた？』

それ、とは俺のコスチュームのこと。
彼女は俺のコスチュームを指差し、そう言った。

天喰「……う、うん。とても。あの、ありがとう。」

恥ずかしい気持ちを必死に隠しながら、俺は彼女にお礼を言った。
すると、彼女が俺を下から覗き込んだ。

『私、こっちだよ。』

そう言って、俺の頬に優しく両手を添えた。

天喰「……ぅｯｯ……！！」

やばい。どうしよう。

俺、花咲さんが好きだ。

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