スキの示しかた【JUMP短編集】 (ページ26)

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笑顔の彼　２ページ26

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私がずーっと探していた相手

『あぁっ、もしかして校門の所で転んでた人ですよね…？』

　覚えててくれた！！

「あっ、はい。そうです…//」

『同じ学校なんですよね』

きゅっと口角が上がり、優しい表情が私に向けられる

「あのっ、時間ありますか？」

『時間？あと２０分で今日のバイトは終わりですけど…』

「連絡先知りたいです！！」

想いが先走ってこんなことを口走っていた

　あちゃぁ……

取り返しのつかないことになったと、頭の中で後悔する

『いいですよ！少しだけ待っててくれれば』

「本当ですか！？ありがとうございます…」

　はー感激

やっぱり優しいな…… 笑顔も可愛い

『で、』

「えっ？」

『ご注文は……』

「あっ！！ごめんなさい」

・

なんとか注文を終え、楓の待つカウンター席に戻る

「ねぇ聞いてっ！あの笑顔の彼がいたの！」

楓［分かってる分かってる。店内に響き渡ってたからアンタの声］

「あの笑顔が見れてもう心ポカポカ

しかも連絡先もこのあとゲットできる予定です」

楓［良かったねー

じゃあもう私は必要ないね。頑張るんだぞー］

楓はアイスを持ってそそくさに帰って行った

　まぁ、

あの人の目的はアイスだったからな…

・

・

「はぁ、カッコいい」

たったの２０分だけだけど、お客さん相手に自然な笑顔で接客する姿に

　胸のトキメキが止まらない

『ぼくちゃん何食べる？チョコ？バニラ？

　可愛いね～』

男の子に向けられた笑顔なのに、動悸が激しくなる

　心臓が持ちません