スキの示しかた【JUMP短編集】 (ページ1)

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迷惑な先輩　１ -KEI- ページ1

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「いらっしゃいませ～」

お客さんに向かって満面の笑みを向ける私

客［えーっと、生ビールと焼き鳥で］

「かしこまりました」

笑顔を作り続けるのが疲れる…

私がバイトとして勤務してるのは、会社終わりの人達がたくさん集まる居酒屋

　店内はたばこの匂いと煙が充満している

『Aちゃん、また顔に出てるよ』

この人は先輩の伊野尾慧さん

申し訳ないが、なにかと私にかまってくる迷惑な先輩

『笑顔キープ！！』

「分かってます！」

『冷たいなー』

「営業中ですよ！？働いてください！」

一人サボるだけで作業が遅れちゃうんだから…

　先輩なんだからちゃんとしてほしい

「おまたせしました。生ビールと焼き鳥です」

　さてと、次の仕事…

客[ねぇねぇ、連絡先教えてよ]

　うわー面倒くさい

「すみません。仕事中はそういうのダメなんですよ…」

客［でもいいじゃん。こっそり。俺結構イケメンだと思わない？］

　全然イケメンじゃないし… ていうかどうしよう…

　腕も掴まれ、さりげなくボディタッチされる

客［ねぇいいじゃん、連絡先交換するだけだから］

素の自分だったらこんな失礼な奴一瞬で突き飛ばしてるけど

　ここでは従業員とお客さん

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客［俺みたいなイケメンどこ探したっていないよ？］

「あの… 『俺の方がイケメンじゃない？』

　突然私達の間に入ってきた伊野尾先輩

客［はぁ～？俺の方がイケメンだろ］

『間違いなく俺の方がイケメンだね～ね、A？』

「は、はい…」

『ていうか、俺の子口説かないでくれる？』

客［はぁ？］

『店員を下品なやり方で口説くお客さんなんていりません

　お帰り下さい』

周りの視線が全部こちらに向く

冷ややかな周りの視線に気づいたのか、逃げるように去って行った

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やっと終わって力が抜けたように倒れ込む

伊野尾先輩に、助けられてしまった………