【呪術廻戦】特級仮想怨霊の、有名な猫になったらしい

セカンドチッスは無い ページ1

・

　A side



「あ、死んだな」と思った二秒後、猫になっていた経験、皆はあるかい？



















「……にゃあお？」






　少なくとも、私はこれが初めてだ。



やあ、紳士淑女の皆様方。
私は猫らしき概念的存在、元人間の猫(仮)だ。

何、理解不能？安心して欲しい、私も脳が認識を拒んでいる状態だ。


仮説であれ、私は実感はなくとも、輪廻転生をしたのであろうと想像くらいはつく。

「あ、死んだな…………成る程トラ転」程度にはスムーズに理解出来た。

天才とかそういうんじゃあない、何度支部で閲覧してきたと思っているんだ。



　帰宅時に轢かれそうな猫がいて。慌てて道路に飛び出して。

猫を放り投げ。最後の記憶は２tトラックの顔面。

なんとも嬉しくないファーストチッスだったと記しておこう。

世のレディ方、ファーストチッスは早めに人間に捧げておいた方が無難だぜ。


　そして目を瞑り、トラックの衝撃を待ったんだが…衝撃が自身の脳を揺さぶることは無かった。

代わりに目を開けたら、猫になっていた。

意味が分からないね。

精神的に脳が異常化したかと思ったよ。



にしても通常とは如何に？

そんなんに関して、うんうん考えて早三日。

飲まず食わずだが、腹は減らない。これが概念猫の理由。






「で、ココって何処なんだわさ」






猫の喉の構造で喋れる辺りも、ワイただの猫じゃねえなと判断した理由の一つだ。

そ。概念猫チャンの私、しゃべれた。口調が自動変換されるけど、人間の言葉を話した。


　猫らしく伸びをし、気が済んだらキョロキョロと辺りを見渡す。

生ゴミ、化け物、化け物、烏、化け物。

あー理解理解、はい異世界ですねクソッタレQED。

　此処は街中の裏通り辺りだろうか。人影は少ない。化け物は多いけど。

それでも私、意味の無い呻き声をあげるコイツらが人間とは思わないね。


何処となく「呪術廻戦」に出てくる呪霊みたいな化け物だなぁtか思っちゃあいけない。






「ｹﾞｷﾞｬｹﾞｷﾞｬ、ｹｹｹｯｯｯｯ!! !! ｵｲ、ﾃﾞ…ｵ、ｲﾃﾞｪ！！！」






と、考え事していたら、化け物の一匹が襲い掛かってきた。

RPGかよ。「逃げる」コマンド無しのさ。

猫が寝ていただけなのに。


にゃあお。



・

吾輩は猫か否か→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す