ミミナナが小学校に転入してきた件【呪術廻戦】

あらゆる誕生秘話 ページ3

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　夏油傑(高専三年生)はある日、二児の親になった。

子供の名前は美々子と菜々子。
傷だらけの姿はどう考えても事案。



　地方田舎での任務から帰った夏油が女児二人を連れて帰ってきたことに、担任の夜蛾正道(バツイチ)は頭を抱えて「ガッッッッデム！！！」と膝から崩れ落ちた。


級友の五条と家入は三日三晩煽り散らかし、『夏油傑女児誘拐事件』とそれを名づけた。







「クズだとは思っていたが…ついに生まれたか」


「くっ、この俺が傑に先を越されただと…！？」


「夏油さんおめでとうございます！母親は一キロ圏内に一定数いる彼女の誰ですか？」


「呪術師は本当にクソですね」







五条は健やかな拳骨を落とされた。
家入は煙草を没収された。

だが二人はめげなかった。喉元過ぎればなんとやら、この事件は生涯ネタにし続けようと握手まで交わした。
夏油のお陰で、ここに、男女の間を超える友情が成立したのである。素晴らしい。



　因みに後輩二人は後日、手合わせで痛い目を見る。













「義務教育はどうするんだ」


「建前としては通わせるべきですね」


「本音は」


「猿山に美々子と菜々子を放りたくありませんね」







　誘拐疑惑が解けた夏油は、村で迫害されていた双子を引き取ることにした。
これが夏油美々子と夏油菜々子の誕生秘話である。


市役所への届け出は五条家パワーでどうにかなった。

ついでに双子と夏油は非術師を「猿」と呼ぶようになった。


夜蛾と七海は普通に引いた。







「…本音と建前は置いておこう。俺は教師として通わせるべきだと思っているが、どうだ」


「その場合事件が起きますね」


「お前が犯人のな」


「通わせたくありません」


「だが、ずっとお前があの双子を見ていられる訳では無い」







会話は可笑しいが夜蛾の言葉は正しい。何一つ間違っていなかった。
夏油も大人びているとは言え十八歳、未成年の主張だってできる年齢だ。大人の言葉の強さも知っていた。

なので。







「二人が精神共々全快してから通わせて、入学初日は絶対に着いて行きます」







最狂のモンペが誕生した。


　これが、最強のモンペ誕生秘話である。



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