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 ぼーっとして待っていると、ピンと張られた障子がゆっくりと開いた。


真っ黒な服装、背は高め。逆光で顔はよく見えない。
そんな人が、じいやに連れられてやって来た。


 護衛の人か?こんな春先の良い天気の日にお疲れ様なことで。

私は興味も無いので反応すらしなかった。それがデフォルトなので仕方がない。







「姫様、護衛の者を連れました」


「………」


「…幾度も申し上げました通り、今日(こんにち)は姫様が御生まれなさってから七つ数えの節目です」







傍迷惑にも真面目なじいやがそう言う。護衛の人は「初耳ですが」みたいな顔をした。おやおや。
知らされてなかったらしいが、幾度も申し上げられた通り今日は所謂お誕生日である。

神の仔(わたし)の、七歳の誕生日である。



 説明、七つ迄は神の子。
 つまり七つ以降はなぁに?そういうこと。



と、まァ。私が八つに成る迄に神の加護(笑)が欲しいお馬鹿チャン(笑)がウジャウジャいるらしいのだ。

ヤダ物騒。此処は本当に法治国家日本?
まさか紛争地帯だったりして。


そんな私の一人コントをつゆ知らず、「我々共は姫様を信仰しその庇護を浴びております。ですが、今日というめでたき日に姫様を拐おうとする救い様の無い愚か者もいる訳でうんぬん」とじいやは喋る。


 ざっくり言うね。うるせぇ。







「つまりうんぬん………、……っ!」







五月蝿いので、手元の鈴を掴みシャラシャラ鳴らした。これは『下がれ』の意味である。
じいやは一瞬驚いた顔をしたが、直ぐにハッとし「そのように」と述べた。



じいやは下がった。
護衛は残った。


いやおかしいて。
護衛さんめっちゃ困ってんじゃん。







「…………」


「……えっと、私は夏油傑。高専の二年で、今日の護衛を任せられたから今日は宜しくね」


「………」







……夏油?ちょい待ち。
私の前世メモリーが何か言ってるから。あ、教祖。
思い出すのが早い。







「君の天与呪縛については聞いているよ。コミュニケーションが取れない、ってね」







ちゃうわ。

待って。情報錯綜してる。「私:声が出ない」特性なだけ!

何でそうなった?私の所為だ。
虚無って毎日過ごしてた所為だ。真実は何時も一つってかやかましいわ蝶ネクタイ。


なあ嘘だろバーニー?







「君の『仲間』を害するつもりは無いから、今日一日は側に置いてくれると助かるよ」








そんなこと言わないでくれよダーリン!




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なつ - 最高です!更新待ってます! (2022年2月24日 0時) (レス) @page4 id: 7fe571f6f4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 更新まてっます (2022年2月23日 13時) (レス) @page4 id: 220ab80aca (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ面白いです。応援してます (2022年2月17日 18時) (レス) @page2 id: 220ab80aca (このIDを非表示/違反報告)
きのこ怜那(プロフ) - 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています。(≧▽≦) (2022年2月16日 19時) (レス) @page2 id: b4660ce693 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミントティー | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年2月16日 19時

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