泣くなサイエンス部員 ページ23
・
【寮長会議当日】
『新オクタヴィネル寮長の、アズール・アーシェングロッド君です！
皆さん仲良くしてあげて下さいね！』
『は？？？？』(リドル)
＊
「A、リドルがスペースキャットになって帰って来たんだが」
「ふーん」
トレイ・クローバーは、生返事をして鍋を掻き混ぜる己の友人を見た。
Aの視線は十割中十割で鍋の中身へ向かっている。
試しに「聞いてるか？」と訊けば、「きいてる」という真面目な声色の返事が返って来た。
トレイはふうん、と話を続けようとする。
「やっぱり虹孔雀の羽毛は、白蛇の鱗と相性がいい様なんだ」
「『効いてる』間違いだな」
「何がだい？」
矢張り聴いていなかった。
仕方がないのでトレイは、その鍋に人魚の涙を投げ入れた。
鍋は爆発した。
そのやり取りを一から見ていたサイエンス部員の各々は、各自慣れた様に防御魔法を張る。
トレイも張る。
Aといえば、鍋が爆発する寸前に眼を見開いた為、彼に降り注いだのは危険な薬品では無く細かい石の破片だけだった。
「…………」
キュィ、と音がした。
「……What」
「A、人の話は聞こうな？」
「ｼｨｨ。にしても、他に方法は無かったのかイ？」
「慌てるなよ。擬態が解けてるぞ」
おや、とサイエンス部員の面々が顔を見合わせる。
何時もと何か、流れが違うのだ。
普段は、この様な爆発が起きても「ええ、何するんだい？」「まあ聞け、少し用があってな」「何だい、面白い話かい？」「ああ」「なら乗る」といったやり取りの元、会話が進んで行く。
そして最終的に、「なにそれ面白そうじゃあないか」とAがトレイやルークの話に乗っかったりする。
それが『何時も通り』なのだ。
が。
「アハ、原因でも探そうか」
「はは、無理はしない方がいいんじゃないか？」
「アハハハハハ」
Aが愉快そうに笑う。喉を大きく開けて笑った。キュィ、と音がした。
Aは愉しげに眼を開いた。
トレイの周りの床や実験器具が、瞬時に石へと変わり果てた。
「まあ聞け、少し用があってな」
緑のトランプ兵は笑った。
へえ、と蛇が首を傾げた。
「なァに？」
古の蛇還りも笑った。
トランプ兵は、にこりと善良そうな笑みを浮かべた。
・
続く (更新停止中)
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ヴィンセント・ヴァンクール - ハァ〜〜〜 もうすごい好きです。ありがとうございます！！続きがとても気になります！更新楽しみに待ってます！！応援してます！！(o^^o)/ (7月30日 2時) (
レス) @page23 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
稲荷 - 更新お待ちしています！続きが読みたくてしょうがないです！ (2022年1月30日 7時) (レス) @page23 id: 72ee2dd031 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年1月30日 1時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
ヒト(プロフ) - ァ〜〜〜〜〜！！！強い！好き！あまりにも凶悪！あまりにも愉快！好き〜〜〜！！！ (2021年12月4日 1時) (レス) @page19 id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 まろ(プロフ) - 最後らへんの「なんかラップしてそうだが…気のせいか！」って主さん、精神攻撃なのに爆発しちゃう系の知って、、← すごく面白くて一気読みしちゃいました笑 更新待ってます！ (2021年11月5日 7時) (レス) @page18 id: 6a8d7c0e57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミントティー
| 作成日時：2021年7月26日 15時
