8話 主殿、私知っております。こういうのを巷では…… ページ8
堀川から「主さん、やっぱり僕達が作りますのでどうぞ御寛ぎください」とやんわりと厨房から追い出されたAは、料理が出来るまで自分の部屋へと急いでいた。
彼女の部屋、ということになっている部屋には、前任者の私物が沢山ある。寧ろ前任者の私物しかない。政府が片付けてくれればいいものを、後始末は全て彼女の仕事となった。
もう使われないだろうから、継続して使ってもいいという指示さえ出ている。
「まさか本当に何も処分してくれないなんて……布団をそのまま使うと思ってるんですか! 前任者は男性、私女性! 十代だって立派な女性!」
誰に言っているのか分からない文句を零しながら、押し入れから前任者が使っていた布団を取り出し、畳に放り出す。力任せに枕を布団に押し付けた。それから奥にしまい込んであった、恐らく使われていないであろう呼びの布団を取り出す。
これなら使われていない。洗濯をすれば使えるだろう。流石に家具を一から揃え直すのは予算の都合上大分厳しいものがあるが、机と布団という最低限の物さえ揃えば後は気にする必要もない。
予算、という言葉の連想で資源という単語が出てくる。バタバタと足音を立てて資源を確認しにいく途中、バッタリ狐を肩に乗せた刀剣男士、鳴狐と出会った。
「ややっ、これは主殿!」
「き、狐が喋った!? えっ、今の腹話術ですか? すごい!」
甲高いオトモの狐の声に、Aは目を丸くする。困惑のあまりいくつかの質問を口走っていたが、オトモの狐は「腹話術ではございません!」とそれだけはキッパリと言った。
「……驚いたか」
ぽつりと、オトモの狐とは違う、低い声がAの耳に届く。それが鳴狐の声だと理解すると、Aは何度も何度も頷いた。
「おっ、驚きました! 確かにこんのすけさんも喋りますけど、こっちの方が狐っぽいし……」
「私目は鳴狐の代理にすぎません。そして、狐っぽいではなく狐なのです!」
「そ、そうですよね! すごい!」
子供の様にキラキラと目を輝かせるAは、昨日庭を大爆発させた人物とは考えられない。こんな瞳をする人間が庭を爆発させるものか、と……鳴狐の視線は庭に向いたが、庭はやはり爆発した後だった。
しかし、鳴狐の本体が喋るのは随分と久しぶりなことだった。オトモは当時、主を目の前にふっと喋った光景を見て、心の内で思っていた。こういうのを巷ではフラグというらしい、と。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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霜月楓(プロフ) - mikuさん» 全然大丈夫ですよ笑未だに読み返して同じ所で笑ってます笑笑頑張ってください(笑) (2016年3月16日 17時) (レス) id: e6db2b3192 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 霜月楓さん» すごく返信遅れてすみません……! 腹筋の運動のお手伝いになれたならよかったです……! 頑張りますね! おおお……! 尚更笑っていただけて嬉しいです! (2016年3月16日 14時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
霜月楓(プロフ) - mikuさん» いえいえ!ほんとに笑い過ぎて腹筋オワタだったんで笑頑張ってくださいね笑笑((僕普段あんま笑わないんで腹筋&表情筋痛い笑)) (2016年1月30日 3時) (レス) id: e6db2b3192 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - Ruriさん» わああ、有難うございます! 笑っていただけてすごく嬉しいです! 更新頑張ります! 応援に応えられるよう、面白い話が書けるように頑張りますね! (2016年1月29日 22時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 霜月楓さん» そういっていただけてうれしいです! お気に入り有難うございます! 滑ってないかどうかすごく心配だったりするので、本当にコメント有難うございます……! 助かります……! (2016年1月29日 22時) (レス) id: 38fa76f22b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miku | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/katudoutyu12/
作成日時:2015年7月2日 20時