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忠「A？」
「...へ？」
忠「どうしたん？」
「何が？」
忠「なんか考え事？」
「あー。ちょっとね笑」
Aの事やから、週刊誌に載るとすばるくんにバレると思ってんねんな。
忠「すばるくんの事？」
「まぁ、ね。」
忠「確かにバレるかもしれへんけどさぁ。バレたらバレたでそれもええんちゃうの？」
「なんで？」
忠「もう3年やろ？俺らも大分落ち着いたしさ。」
「そうだけど...。」
忠「まぁ、何よりすばるくんはまだAの事大好きやし。」
「なんでそんなことわかるの？」
忠「Aと別れてからあの人彼女作ってないもん。」
「そんなのわかんないじゃん笑」
忠「...。未だにすばるくんがAとのペアリング外せてないって言っても？」
「...。」
おそらくこの子は気付いとったはず。
すばるくんは収録の現場でも、薬指じゃなくても必ず左手のどっかにははめてたし、なんかあればしきりにその指輪を触ってた。
仕事が終われば左手の薬指に移動させてたもん。
スタッフさんとかに“彼女さんいるんですか？”って聞かれたときも“そうやねん笑”って答えてるし。
忠「A？」
「ん？」
忠「すばるくんとこ戻る気はないの？」
「好きじゃないもん...。」
忠「じゃあ、このネックレスはなに？」
「っ!!」
忠「好きじゃないなら普通外すやろ。
なんなら今、この場で外して俺と同じ指輪するか？」
「...。」
俺がこんなこと言うのはおかしいかも知らんけど、ちゃんとした理由がある。
俺は、Aが欲しかった。
最初に見たときに一瞬で堕ちたから。
これは俺だけじゃない、他のメンバーもそうやった。
すばるくんに“俺の彼女やねん笑”そう言って、はにかみながら紹介された時は絶望的やった。
忠「A。忘れてない？」
「...｡」
忠「俺、お前の事好きやねんで？」
「そう...だったね。」
忠「...。」ちゅ。
「んっ///たぁ...くん。」
忠「へぇ。その呼び方まだ覚えてたんや。」ぎゅ。
「うん...。」
忠「もう忘れたと思ってた。」
「忘れるはずない。」
忠「まぁそうか笑」
俺らは一回だけ関係を持ったことがある。
Aがすばるくんと大喧嘩したとき。
どんだけ最低やって思われてもいい。
すばるくんにどんだけ嫌われても良かった。
何よりこいつが欲しかった。
それはこの3年間もずっと変わらんままで、すばるくんと別れたって聞いて嬉しかった。
やっと俺のもんにできる...そう思ったのに。
Aの想いはずっとすばるくんのままで。
忠「そんなん勝てるわけないやん。」
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作者名：慧梨 | 作成日時：2018年5月18日 4時
