大好きだよ。

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sideK


「やっぱり、俺変だよ」
「なんで？恋したら普通の事じゃないの？」

あの自販機の場所まで来ると、聞こえてくる話し声。
あれは藤ヶ谷と横尾さんの声だ。
やっぱ一緒に居たのかと嫉妬心が沸き上がってくる。

覗いてみると、藤ヶ谷が此方に背を向ける感じで、横尾さんと向き合っていた。
横尾さんはすぐに俺に気づいたが、シーッと人差し指を口に持っていく。
藤ヶ谷は俯いてて気づいてない。

「でも俺北山が傍に居るとすぐドキドキしちゃって顔も熱くなっちゃって、すぐ北山から逃げちゃうもん」
「それはみつが好きって証拠でしょ？」
「そうだけど･･･でも、逃げてばっかじゃ北山に誤解されちゃう。
言葉でもちゃんと言えないし、態度でも･･･」
「うん、でもみつはちゃんとわかってるんじゃない？」
「うー、だって北山は優しいから何も言わないけど本当は傷ついてるんじゃ･･･
俺、北山のこと傷つけたくない」


聞こえてくる内容はなんとも可愛らしいものだった。
つまりは俺が傍に行くとドキドキしちゃって、すぐ逃げちゃう。
そんな態度が俺を傷つけてるんじゃないかって心配してんのか。

かわいすぎんだろっ！！

今すぐ傍に行って大丈夫だって言いたいけど、それだと何の解決にもならないし、藤ヶ谷も逃げようとするからやめとく。
横尾さんに軽く手を振ってその場を離れる。

これは藤ヶ谷自身の問題だからそっとしておくよ。
大丈夫だって言葉で言うのは簡単だけど、藤ヶ谷が変われないから本人も納得しないだろうし。

でも恥ずかしがってる藤ヶ谷はめちゃくちゃ可愛いから、正直そのままでも良いんだけどな。

まぁアイツがそう簡単に変われるわけがないだろうから、必死に逃げないように頑張る可愛い藤ヶ谷を堪能しよう。


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