29話 ページ29
「マイキーを頼む」
そう言って駆け上がった場地を私たち3人はただ呆然と眺めることしかできなかった
そっか…場地の死は免れたんだ
やっと成功したんだ
「あの人はできねー約束はしねぇんだ！
ねぇAさ…Aさん？」
「…いやおかしいでしょ」
「え？」
私を抱きしめた時の震え、瞳孔
場地に触れて、見て感じた違和感にどくどくと心臓が脈打つ
本当に刺されてないの？
だったらこの胸騒ぎはなに？
「武道。場地って本当に刺されて…」
ドンｯ
上から聞こえた大きな音にゆっくりと顔をあげる
あぁ…お願いよ
お願いだから
「場地！！」
何度も見た場地の姿に過去がフラッシュバックする
千冬と一緒に場地を揺するも、一向に返事が返ってこない
また場地のいない未来に向かってしまう
一体どうやったらこの人のこと救えるの
「なんでいつも一虎に命かけんのよあんたは…」
この後一虎はマイキーに殺 されてしまうのよ？
あんたが命をかけたってあいつはすぐに殺 されるんだから
「こんなの無意味だ。命かける意味なんてない」
「まだ死んでねぇよ」
ごほっと血を吐きながらゆっくり起き上がる場地に、服の裾を掴む
せっかく起きたのに、また一虎助けに行こうとしてるでしょ
そんなのお見通しなんだから
「一虎はもう助からない。諦めてよ」
「あー？…だったら俺も死 ぬしかねぇな」
「ｯだから！！あいつに命懸けたって無駄だって言ってんのよ！」
溢れる涙を鼻水も拭く余裕がない
それくらい私は場地に生きて欲しいと思っているのに、どうして伝わらないの
ふうぅとため息をついた場地は、私の頭にぽんっと手を乗せて言い聞かせるように口を開いた
「俺が居ないとあいつ1人になっちまうだろ？
あーなったのは俺のせいでもあるから」
そう言って下へ降りていく場地
場地が起き上がったことに周囲は驚き、場地はゆっくりとナイフを取り出した
「Aさん！！早く場地さん止めないと…ｯ！」
そこからの記憶はあんまりなくて、
ただただ場地の言葉がずっと脳内を巡っていた
もともと1人は慣れっこだった
けど、場地と出会って1人が嫌になった
俺が居ないとあいつが1人？
それって場地じゃなくても良くない？
「場地さあああん！！！」
場地が一虎の為に自害する瞬間がやけにスローモーションに見えた
どう足掻いても場地の未来は、一虎に命をかける結末って決まってるんだ
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餃子(プロフ) - 微生物さん» 了解しました！ご指摘は有り難い事なので言って頂けて嬉しかったです(^^)励みになりました！頑張ります！ (2022年4月9日 12時) (
レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 早めの対応ありがとうございます！設定タグの方も「馬地」になってますので訂正お願いしたいです。何度もご指摘すみませんm(_ _)mこの作品結構好きなので今後も更新頑張って下さい (2022年4月7日 22時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - 微生物さん» うわ本当だ！ご指摘ありがとうございます、すぐになおします！ (2022年4月7日 20時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 「馬地」ではなく「場地」ですよ (2022年4月6日 18時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餃子 | 作成日時：2022年2月9日 14時
