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28話 場地side ページ28

毎日夕方になるのが楽しみだった


夕方になると近くの公園で女の子が男と大乱闘をするから

最初見つけた時は助けようとしたけど、すんなり倒すもんだから普通に感動してそれから毎日の楽しみになった



「(まだいるのかよ…もう夜なのに」


でもその女の子は夜になってもずっと公園にいた

空手が終わってまた公園の前を通ると、女の子は木の影に座ってぼーっと空を眺めている


毎日喧嘩して空を見て…足なんか擦りむいてるのに気にもしてねぇ


強い子だなって単純に尊敬して、気づいたら公園の前を通るのが俺の日課になった




「また怪我してんじゃねえか!」


「え、誰?」


「お前なんでいつも1人なんだよ。友達呼べよ」


「…必要ない。自分の身は自分で守るしかないもん」



いつも通り公園の前を通ったある日、顔に擦り傷を作っているところを見かけて思わず声をかけた


たまたま持っていた絆創膏を頬に貼ると、心を許したのか家族がいないだとか学校で化け物扱いされてるとか…ぽつぽつ喋りだした



「いじめから救ったのにこの扱いよ?噂が広がって他校の人にも喧嘩ふっかけられるし」



強そうに見えていたこの子は、案外弱いのかもしれない

涙を必死に堪えて俺の服の裾を掴む姿に、俺がこの子を守らなければと謎の使命感にかられた




「じゃあ俺がお前のこと守ってやるから、売られた喧嘩全部買うな。…女の子だろ?一応」


どうしていいか分からなくて、とりあえず約束!っと小指を強引に絡ませると、Aはありがとう。と言って笑った


その瞬間、顔に熱が集まって胸がドキドキして

この子のことは一生守るって誓ったんだ






「ははっ…やっぱりな
 A狙ったら場地がくると思ってたわ」


「…ッ場地?!」



一虎がAにナイフを向けた瞬間、俺の体はAをぎゅっと抱きしめた


背中にグサリと刺さったナイフに、あぁAが刺されなくて良かったとほっと胸を撫で下ろした



「な、にやって…?!」


「かすり傷だ。助かったぜ武道」



すかさず武道が一虎を引き剥がしたが、じわじわと痛みが全身を巡り出して立っているのでやっとだった



「おいA。何ともねーかよ」


「…場地がそれ言うの?私なんかよりあんたの方が、」


「お前が怪我すんのはもう見たくねぇんだよ」


「ッ?!」




本当は足だってずっと気になってた


今になってあの日の約束を思い出したけど、あの日から気持ちは変わってねぇ



「好きだから心配してんだ」

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餃子(プロフ) - 微生物さん» 了解しました!ご指摘は有り難い事なので言って頂けて嬉しかったです(^^)励みになりました!頑張ります! (2022年4月9日 12時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 早めの対応ありがとうございます!設定タグの方も「馬地」になってますので訂正お願いしたいです。何度もご指摘すみませんm(_ _)mこの作品結構好きなので今後も更新頑張って下さい (2022年4月7日 22時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - 微生物さん» うわ本当だ!ご指摘ありがとうございます、すぐになおします! (2022年4月7日 20時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
微生物(プロフ) - 「馬地」ではなく「場地」ですよ (2022年4月6日 18時) (レス) id: f2927e6a43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餃子 | 作成日時:2022年2月9日 14時

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