君が不幸になりますように【東リベ】

11話 ページ11

一人暮らしするにはお金が必要

汚いやり方だったけどその分黒龍は収入が良かった



「なんだよ俺たちの考えすぎか」


「黒龍の特服着てたから何事かと思ったらそんなことかよ」




汚い仕事だと自覚していた分後ろめたさがあったが、帰ってきた言葉は案外軽く、驚いて顔をあげる



「何かあったら頼れよ
　東卍はそういうグループだろ」


「…場地がそれ言うか」


「はぁ？どういう意味だそれ」


「せっかく良い雰囲気だったのにまた喧嘩かよ」



生い立ちについては気にしていないつもりでいたが、

正直悲劇のヒロインじみた考えをしたこともあった



私だけが不幸だ。なんて考えていたけど俺も俺もとみんなが話してくれて自分はありきたりなんだと恥ずかしく思った




「よくある話でもねぇけどないわけでもないから気にすることねぇよ」


「でも本当に良いんかよ金は」


「最後に大きい仕事したし当分大丈夫」



何だかしんみりした空気に耐えきれなくてすっと立ち上がる


なんやかんやでタイムリープして初めて話したかもしれない

マイキー含めた全員が気にしてたのかな？
今まで聞かれなかったのは優しさだったんだね




「そろそろ帰ろうぜ」


「だな」


「A〜エマも待ってるし早く帰るぞ！」



バブの後ろをとんとんと叩くマイキー


本当人の話聞かないわねこいつ

しかしこうなったらマイキーを止める方が面倒臭いのでしぶしぶ座る





「武道！」



バブに座った直後、手招きをして誰にも聞こえないようにそっと耳元に口を近づける



「次会う時に未来の情報が欲しい
　こっちに帰ってきたら真っ先に連絡して」


「分かりました！」




武道が来た時点で未来はどうなっているのか

10/31以降を生きたことがない私にとって未来の情報は手に入れておくべきだ


武道に手を振った後、ぱっと前を向くとじっと見つめるマイキーと目が合う


何？っという私にマイキーは少し頬を膨らませた



「お前さぁ妙にタケミッチと仲良いよな」


「同中だから」


「本当にそれだけ？
　久しぶりに再会した幼馴染よりも仲良さそうだけど」


「そんなんじゃないよ。でもそうだね…
　武道は何かしてくれるって信じてるの」




場地だけじゃない

東卍もマイキーも救ってくれるんじゃないかって思うんだ

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