その47 ページ48
東雲…間違いない、ここだわ
「東雲の表札見つけたよ、愛莉ちゃん」
『ごめんなさいね、今度またお礼するわ』
ぷつりと切れたスマホからは虚しい機械音が響く
愛莉ちゃんの頼みとはいえ急に家を訪れるのは何だか気が引ける
「お姉さんが出ても彰人が出ても…
ましてや親が出てきても全部最悪な気がするわ」
ことの発端は数時間前
事務所を出てすぐの道で愛莉ちゃんを見かけて声をかけた
いつもなら大人な対応なはずの愛莉ちゃんが何故か今日はすごく嬉しそうに名前を呼ぶものだからすぐに嫌な予感はしたんだけど…
「もしかしたら次のイベントで施設貸してもらえそうな所見つかったんだけど、今から急に打ち合わせ入っちゃったのよね」
「へえ良かったじゃん!」
「でも昨日友達がカフェに忘れ物してそれを家に届けるって約束してて…
次のイベント施設結構有名な所だからファーストコンタクトは大事にしたいのよ」
「友達が急ぎの用事だったら私が届けようか?
今日もう用事ないし」
「本当に?!助かるわ!!!」
今日中に届けてって言われてるからお願い!っとUSBをしっかり握らされた
変装してるし、なにより愛莉ちゃんの友達なら芸能人慣れしてるだろうな
そんな甘い考えでつい受け取ったUSBをポーチに入れて私はそれでどこに行けば良いかと尋ねた
「彰人くんの家よ!彰人くんのお姉さんが私の友達なの
Aなら彰人くんと仲良いから本当に助かったわ」
「え」
彰人のお姉さんの友達が愛莉ちゃんの友達…
え?!
「世間状すぎて笑いすら起きないわね」
お姉さんに用事があると言っても一応好きな人の家なわけで
メイクさんから聞いた有名なチーズケーキなんかも買っちゃったりしたのである
日曜の昼過ぎって両親いるのかしら
私の家も冬弥の家も基本いないから分かんない…
そもそも司くんのお見舞いに一昨日行ったばっかりでまさか、日曜に彰人に会えるなんて…ッ
「(いや諦めるんだから嬉しがるな私!
友達が今日中って言ってるんだから早く渡さないと!!」
あれこれ考えても仕方ない、と意を決してインターホンを押す
パタパタと階段を降りる音が大きくなるにつれて私の心臓の音も大きくなる
誰だ…誰が出るんだ…ッ?!
「前髪大丈夫よね?」
足音がパタリと止んで玄関がガチャっと音を立てた
「あの!愛莉ちゃんに頼まれて来たんですけど…!」
422人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
餃子(プロフ) - すみません通知溜まってるし第一章は終わっているので全く見てませんでした、、、コメント見て表現は編集したのでまた読みにくかったら言ってください (2022年3月16日 14時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
八戸 - 確かに汗とかないほうが読みやすいかもです…。()つけてみるのもありかもです! (2022年3月15日 21時) (レス) @page2 id: 31c5d0f724 (このIDを非表示/違反報告)
Y(プロフ) - 汗とか怒とかの感情書かない方が正直読みやすいです… (2022年2月28日 2時) (レス) @page16 id: 6135a2eb1f (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - リオットさん» とってもコメント遅くなって申し訳ありません、、!!コメント嬉しいです(^^)頑張ります! (2022年1月4日 16時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
リオット - 凄く好きな小説でした。ありがとうございます。更新頑張ってください。 (2021年12月10日 22時) (レス) @page44 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:餃子 | 作成日時:2021年8月22日 21時