その28 ページ29
「冬弥みたいに才能があれば、多少は認められたかもしれないのに…！
はなから認められていない私には挑戦する勇気なんてない！！」
ボタボタと落ちる涙を拭う暇がないぐらいに叫ぶ
人気のない通りで、夕日は沈みかけている
私の声だけが響き渡り、ボタボタと落ちた涙は地面にくっきり跡を残した
「どうすればよかったのよ…」
どこで間違えたんだろう
どうしてショーを楽しいと思っちゃったんだろう
私は気付かずそっとクラシックをしていれば良かったのに
「お前っていつも自信満々なのに、こういう時は弱気だよな」
そう言って振り返った彰人は、真剣だけど…どこか優しい目をしていた
「冬弥はな…親父の言いなりになりたくなくて路上で歌い出したんだよ
音楽が嫌で反抗したのに結局音楽がやめられねぇんだ
でも今は、自分の音楽を親父に認めてもらう為に頑張ってる」
いつのまにか座り込んでいた私と目線を合わすように、彰人は私の前に来てしゃがみこんだ
「お前は青柳Aだろ？
親父はクラシック家で母親は？」
「元…女優だけど、」
「じゃあお前は親父じゃなくて母親に似たんだろ
猫かぶりで上手く周り誤魔化してるし…演技の才能引き継いでんじゃねぇの？」
「演技の、才能」
その瞬間、頭が真っ白になったと同時に胸がすとんと落ちた気がした
クラシックの才能がないから、どこか親子というよりは他人のように感じていた
「でも…私がショーやりたいなんて許してくれない」
「お前の気持ちはその程度なのかよ」
「私がショーしたって誰も認めてくれない！！」
「お前なぁ…司先輩に勧誘されてただろうが」
否定し続ける私の頬に手が添えられて、顔を上げる
ドキっとしたのも束の間、彰人は恥ずかしそうに話した
「少なくとも俺は今日のショー見て感動した、けど…」
少しだけな！っと言って彰人は恥ずかしさを隠すように立ち上がった
なんだ。私でも心を動かせるんだ
高鳴る心臓を押さえて立ち上がる
「私、ショーでお父さんだけじゃなくてたくさんの人に感動を与えたい！」
「いいんじゃねぇの」
そう言ってふっと笑った彰人に、私の心臓は更にドキドキとなり出した
「ありがとう！彰人！」
「おい抱きつくな！」
私は彰人に飛び付き、ぎゅっと抱きしめた
このドキドキと安心感…
あぁどうしよう
彰人のことが好きかもしれない
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餃子(プロフ) - すみません通知溜まってるし第一章は終わっているので全く見てませんでした、、、コメント見て表現は編集したのでまた読みにくかったら言ってください (2022年3月16日 14時) (
レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
八戸 - 確かに汗とかないほうが読みやすいかもです…。（）つけてみるのもありかもです！ (2022年3月15日 21時) (レス) @page2 id: 31c5d0f724 (このIDを非表示/違反報告)
Y(プロフ) - 汗とか怒とかの感情書かない方が正直読みやすいです… (2022年2月28日 2時) (レス) @page16 id: 6135a2eb1f (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - リオットさん» とってもコメント遅くなって申し訳ありません、、！！コメント嬉しいです(^^)頑張ります！ (2022年1月4日 16時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
リオット - 凄く好きな小説でした。ありがとうございます。更新頑張ってください。 (2021年12月10日 22時) (レス) @page44 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餃子 | 作成日時：2021年8月22日 21時
