その20 ページ21
「楽しそうね、冬弥」
「あぁ…こういうのは初めてだからな」
楽しそうに浮き輪で遊ぶ杏達を、今度は私と冬弥がベンチから見守る
ふと横目で冬弥を見ると幸せそうにみんなを眺めていた
「(私の前でもそんな顔しないのに」
信頼できる仲間が出来たのは嬉しいことだが、同時に寂しさを覚える
「冬弥はさ、今の音楽が自分に合ってると思う？」
「合ってる…かどうかは、正直分からない」
私の質問に目線を変えずに答える冬弥
しかし、そっかと返すと驚いた顔で私を見た
またクラシックの話されると思ったんだろう
しかし今はそんな話をする気になれなかった
「逆にAはクラシックが合ってると思うのか？」
「私は選ぶ側じゃないからなぁ」
クラシックしか選択肢ないのに才能がないなんて、
やってられないわよ
それでも私は家族を保つためにクラシックを続ける
最近は指も治ってきてリハビリも始めた
「俺は今が合っているかどうかは分からない
けど、彰人の隣で歌いたいんだ」
「もしかして彰人のこと好きなの？」
「当然だ。相棒として尊敬もしている」
ひょっとして冬弥ってヒロインなのでは？
浮き輪でくつろぐ彰人をジェラシーを込めて睨みつける
「そんなに尊敬されてていいわね〜」
「Aだって彰人が好きだろ？」
「え、」
こ、これは…ライクだよねさすがに
冬弥には変に好きだとか言わないほうがいいわね
「まぁ色々助けてもらったし？嫌な奴には変わりないけど」
なんやかんや色々話したし、今日も助けてもらった
嫌味な奴だけど根が悪い奴ではない…はず
冬弥さえ解放してくれれば文句なしなんだけどな
「彰人はとても優しいんだ…だからAも、」
「あ、ごめん」
冬弥の話の途中で私のスマホが鳴り、ディスプレイを覗く
そこには父からのメッセージが届いていた
【どうして家にいない？ピアノはどうした？】
「あ〜ごめん冬弥、仕事だわ」
杏達にも言っておいてと言い、そそくさと帰り支度を進める
何か言いたげな冬弥に、私はごめんねと精一杯微笑んでその場を後にした
「勉強してました今から帰ります…っと」
嘘の連絡を躊躇いもなく送信して、更衣室に向かう
水着を脱ごうとすると、肌がくっついて少し痛い
「あぶなかったなぁ…」
痛みを感じることで現実に戻れた気がした
_______少しでも羨ましくなったら負けなんだから
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餃子(プロフ) - すみません通知溜まってるし第一章は終わっているので全く見てませんでした、、、コメント見て表現は編集したのでまた読みにくかったら言ってください (2022年3月16日 14時) (
レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
八戸 - 確かに汗とかないほうが読みやすいかもです…。（）つけてみるのもありかもです！ (2022年3月15日 21時) (レス) @page2 id: 31c5d0f724 (このIDを非表示/違反報告)
Y(プロフ) - 汗とか怒とかの感情書かない方が正直読みやすいです… (2022年2月28日 2時) (レス) @page16 id: 6135a2eb1f (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - リオットさん» とってもコメント遅くなって申し訳ありません、、！！コメント嬉しいです(^^)頑張ります！ (2022年1月4日 16時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
リオット - 凄く好きな小説でした。ありがとうございます。更新頑張ってください。 (2021年12月10日 22時) (レス) @page44 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餃子 | 作成日時：2021年8月22日 21時
