その11 彰人side ページ12
「お嬢ちゃん可愛いからサービスだよ！」
「え〜嬉しい！ありがとぉ！」
笑顔でクレープを受け取ると、そのまま俺に手渡してくれた
しかし
「お前なぁ…振り返った瞬間に真顔になるの辞めろよ」
「は？何か言った？」
あれ以来素で喋ってくれてるから少しは心を開いてくれたのだろうか
冬弥に言われた救ってやれの言葉を思い出す
「病院行くんじゃなかったのかよ」
「行くわよ〜これ食べたらね」
救えって言っても…俺こいつ嫌いだしな
「(ん、美味いこれ」
クレープを食べながらも、なんだかんだ相棒の頼み事なので考える
まずこいつに悩みなんてあるのかよ
「練習時間割いてやってんだよ、早く終わらせるぞ」
「私だって当分ピアノの練習出来ないんだからね
でもま、冬弥との時間を奪えたのはチャンスだわ」
してやったりと言わんばかりの得意顔
冬弥のことを思ってるんなら応援してやればいいのに
「冬弥も言ってたろーが
自分の価値観押し付けんな」
「価値観じゃないわよ、正論よ」
「もっと押し付けんな！
お前はクラシックで冬弥はストーリート…どっちも音楽で良いじゃねぇか」
そういうとクレープを食べていた手が止まり、少し曇った顔をした
「それじゃダメなのよ…私は1人では生きられないわ」
ぼそっと呟くと自分のクレープをずいっと俺に手渡した
「お腹いっぱいだからあげる、じゃあね」
「はぁ？病院行かねーのかよ？」
「どうやら保健室の先生がお父さんに連絡したみたいでね〜」
迎えきてくれたみたいだから、とだけ残して去っていった
わざわざ電車乗って隣の町まで来たのに…
我儘過ぎるだろ、と内心悪態をつきながらベンチに座り込む
「1人では生きられないってなんだよ」
もしかしてクラシックが好きだからじゃなくて、冬弥が好きなのか？
いや待て、そもそもイベント近いのに何やってんだ俺？
「(アホらし、帰って自主練しよ」
鞄を持ち、胃もたれするお腹を抑えて立ち上がるとカシャンと音が鳴った
「スマホ…あいつのか」
ピアノのイラストが描かれているロック画面が開く
どうやって父親と合流すんだよ汗
冬弥に連絡して渡してもらうか？
いや、スマホがないんだから意味ないか
しばらく考えた結果、ここまで来たので病院まで届けることにした
世間話でもどこの病院か聞いといて良かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 422人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロセカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
餃子(プロフ) - すみません通知溜まってるし第一章は終わっているので全く見てませんでした、、、コメント見て表現は編集したのでまた読みにくかったら言ってください (2022年3月16日 14時) (
レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
八戸 - 確かに汗とかないほうが読みやすいかもです…。（）つけてみるのもありかもです！ (2022年3月15日 21時) (レス) @page2 id: 31c5d0f724 (このIDを非表示/違反報告)
Y(プロフ) - 汗とか怒とかの感情書かない方が正直読みやすいです… (2022年2月28日 2時) (レス) @page16 id: 6135a2eb1f (このIDを非表示/違反報告)
餃子(プロフ) - リオットさん» とってもコメント遅くなって申し訳ありません、、！！コメント嬉しいです(^^)頑張ります！ (2022年1月4日 16時) (レス) id: 62fd12ab2d (このIDを非表示/違反報告)
リオット - 凄く好きな小説でした。ありがとうございます。更新頑張ってください。 (2021年12月10日 22時) (レス) @page44 id: 5c3b65f0f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：餃子 | 作成日時：2021年8月22日 21時
