ジョンの好きなもの ページ4
火曜日。僕へのいじめがすっかり消えた火曜日。投げられたガキ大将は怪我をしていなかった。なんて丈夫なんだろう。ジョンがきのうの記憶を改ざんした。これは世界レベルの技術だ。
「記憶をいじるのもＡＳＯの研究の成果なの？」
「そうだ。我々派遣員に何かめんどうなことがあればこれを使え、と。」
ジョンは僕にＵＳＢメモリースティックを見せた。
ＡＳＯとは、ジョンが用心棒として雇われている秘密組織。未来についての研究をしているのだとか。
「それにしてもジョンはとても足が速いんだね。いつのまに移動したんだ？ってなるよ」
ジョンはプレスタ５(ＰＳ５)を止め、僕の方を振り返った。
「あれは私の脳内に埋め込まれたチップのおかげなんだ。」
ジョンは人差し指で右脳を指した
「チップ？」
「設定した対象物のいる場所にワープすることができる。」
ほお。画期的なアイテムじゃないか。
「いいなあ。二つないの？僕にもくれよ」
「スペアがある。使いたいか？」
「うんうんうん」
ジョンは少し笑ってこう言った
「そんなにおもいつめていたのか…see you あの世で逢おうぜ」
は？僕はまったく意味が分からなかった
「たしかにジョンがきたことで部屋が汚くなって掃除が大変になった。でも死ぬほどじゃないさ。一体何が言いたいんだ？」
「これには使用条件がある。身長１８６ｃｍ以上の者で、体重が90ｋｇ以上、３年以上軍隊に所属していた者、健康な２５歳以上の者。だ」
なるほど。
「僕には無理ってわけか。」
「ああそうだ。君が使えばきっとミンチになっておいしく頂かれることになる。」
ジョンはすこしためて
「ハンバーグにしてな。」
ジョンのすきなものはハンバーグ。僕は新たにジョンのことを知った。
「そうか。まあ僕が大人になったらそれよりもっとすごいものを作ってみせるよ。」
「それは名案だな。どんなものを作るんだ？」
ジョンは夜中まで、ぼくが寝るまでずっと僕の妄想を聞いていてくれた。僕の胸の中に、なんだかわからない温かいものがこみあげてきていた。とても楽しい夜だった。１１年の人生の中で一番。
誕生日の近いぼくにとって今夜はいい誕生日プレゼントになりそうだった。
下の階からはＰＳ５の音。ジョン、君となら友達になれるかもしれないね。平等な関係になれたら、だけど
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煎田@ROM卒奴(プロフ) - ジョンが中々にナイスガイな所が好きです。 (2017年3月13日 0時) (
レス) id: 09d62032e9 (このIDを非表示/違反報告)
ロイヤルストリート(プロフ) - 面白くて好きです。笑点意識に座布団3枚くらいあげたいです。これからも楽しみしてます (2017年3月2日 17時) (レス) id: c29879431f (このIDを非表示/違反報告)
徒町(プロフ) - コワァくて、気持ち悪いけど、続き気になります。 (2017年3月1日 18時) (レス) id: cc532d57bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：katsumi20001226 | 作成日時：2017年3月1日 14時
