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「帰ろうぜ、A、渚くん。帰りメシ食ってこーよ」
そう言うカルマの手には1つの財布が。あれって確か…
「ちょッ、それ先生の財布!?」
「だからぁ、教員室に無防備で置いとくなって」
「返しなさい!!」
「いいよー」
「な、中身抜かれてますけど!?」
「はした金だったから募金しちゃったw」
「にゅやーッ、不良慈善者!!」
私と渚くんはそのやり取りに顔を見合わせて笑った
そして帰り道、渚くんと途中で別れ、カルマと2人で帰っていると、「何となくわかったよ」とカルマが言ってきた
『何が?』
「Aが変わったこと」
それは昨日のファミレスでカルマが言っていたことだろうか
「殺せんせーでしょ?あんなに人を警戒していたAが会わなかったたった数日で前みたいに普通に笑ってクラスのやつとかと話してるからさぁ、何かあったんだろうとは思ってたけどさ」
『…ああ。そういう事ね。けどカルマもわかったんじゃない?』
「まぁ、ね」
『あ、そうだ。カルマに言うの忘れてたよ』
「何を?」
『カルマ、おかえり。これからもよろしくね!!』
笑ってそう言った私にカルマは一瞬驚いたような顔をしたが、直ぐにいつものように笑って、
「…うん、ただいま。これからもよろしく」
と言った。その時、私は嬉しさと、明日は殺せんせーにどうやって暗殺しようかと考えていたため、カルマが顔を赤くしていることに気づかなかったーー
『?カルマ、どうしたの?』
「っなんでもない…(笑った顔が可愛かったとか、言えるわけないだろ…)」
カルマの時間 〜fin〜
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作者名:ヒビヤ | 作成日時:2022年6月12日 11時