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渚side
「それからAはあまり人と関わろうとはしなかった｡俺たちとも自分からは連絡を取ってなかったよ｡」
Aちゃんの過去は､僕たちの世界とはあまりにも違いすぎるものだった｡そう感じてしまうほどの背景…Aちゃんがそんなに大きなものを背負っていたなんて…
磯貝くんが話し終えても僕達は誰も言葉が出なかった｡そんな沈黙を破ったのは前原くんだった
「なあ殺せんせー､Aを助けてくれないかな…？あいつ､素行が悪くてそこが目立つけどさ､根はすげー優しくて良い奴なんだ｡俺たちに授業で分からなかったとこ教えてくれたり､関わったことがないやつでも助けたりとか､ほんと良い奴なんだよ！そんなあいつが本気で笑えないなんておかしいだろ？！俺たち2人じゃ無理だった…だから頼むよ､殺せんせー」
「前原くん…」
きっと磯貝くんも同じ気持ちなんだろう､殺せんせーの顔を見ていた
「ええ､もちろんです｡先生はそういう時のためにいるのですから」
殺せんせーは2人の頭を撫でそう言った
僕たちの先生はターゲットであるはずなのに､こんなにも心強い！
それから昼休みが過ぎ､午後の授業が始まった｡だけどAちゃんが殺せんせーに暗殺を1度も仕掛けなくなった｡それどころか､普通に授業を受けている｡一体どうなっているのか…他のみんなや殺せんせーもそう思っているのは一緒のようで､みんな不思議そうに彼女を見ていた
「ねえAちゃん､もう殺せんせーに暗殺しないの？」
『うん､"今は"ね｡楽しみは後に取っておこうと思ってさ！だから先生の授業を受けようかなって｡なんか本校舎の先生より上手いし』
「そっか…」
"今は"ってどういうことだろう…何だか少し､嫌な予感がする…
そして､Aちゃんは放課後になるまで殺せんせーに暗殺をすることは1度もなかった
放課後になり､僕は茅野と杉野と一緒に帰ることになった｡3人で帰りにどこかに寄って帰ろうかなど話しながら準備をしていると､前原くんが磯貝くんとAちゃんに声をかけていた
「やっと終わった〜！磯貝､A！はやく帰ろーぜ！」
「まあ待てって､そう急かすなよ」
「あ､良かったら3人とも一緒に帰らない？私もっとAちゃんと話したい！」
茅野はAちゃんともっとお近づきになりたい！なんて言いながら話しかけた
「お､いいじゃん！な！」
「ああ､たまには大人数で帰るのも悪くないな｡」
2人は快く受け入れてくれたが…
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作者名：ヒビヤ | 作成日時：2022年6月12日 11時
