笑顔と涙 ページ29
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重たい目蓋をゆっくりと開けると、
真っ白な天井が目に入る。
重たい身体、軽く頭痛もする。
右手には点滴が繋がれており、
その右手をぎゅっと握りながら椅子に座り
眠っている勝己先輩の姿があった。
時刻は2時半。
もしかして、ずっとここにいてくれたの…？
「 … A？ 」
私がゆっくりと身体を起こそうとするとすぐに目を覚ました勝己先輩。最初は寝ぼけていたのだろうけど、すぐに起こそうとする身体を抑えられる
「 まだ起き上がんなよ安静にしてろ 」
「 ……… かつきせんぱい、」
先輩の顔を見ると、薄らと涙が滲んでくる。
ぎゅ、と強く握ってくれる先輩の手を、精一杯の力で握り返す。
「 わたし、わたし 」
「 ゆっくりでいい。焦んな 」
そう言った先輩の瞳は、優しかった。
そんな顔見たら余計に涙が止まらなくて
「 ヴィランと戦おうとしたけど、がんばったけど
できなかった…せんぱいたち、にめいわくを 」
「 迷惑じゃねぇわクソガキ 」
私の言葉を遮るように、そう言う。
強く強く、手を握って。
「 お前は必死に戦ったんだろ。そんなボロボロになるまで戦って、何が頑張れなかっただ。十分過ぎるくらい頑張ってたじゃねぇか。」
「 っ … 」
緑谷先輩がかけてくれた言葉を思い出す。
どうして先輩たちはこんなにも優しいのだろう。
涙が溢れて、上手く息が吸えず、嗚咽が漏れる
「 迷惑なんかじゃねぇ。お前が頑張ったおかげでヴィラン共を捕らえこともできた。相澤先生やヒーローデクに轟の野郎もお前のおかげだって言ってる 」
もう片方の手が、ぽん、と頭に置かれる。
大きくて、暖かい手がゆっくりと
優しく頭を撫でてくれて。
それはとても心地よく段々と気分も落ち着いていった
「 俺だって同じこと思ってる 」
「 せん、ぱい … 」
「 よく1人で頑張ったな、A 」
微かに微笑みながら言った勝己先輩の目には
涙が溜まっていた。
初めて見た勝己先輩の涙。
すごく綺麗だった。
「 せんぱい、なみだ 」
「 … あ？泣いてねぇわ 」
「 溢れてます 」
「 あぁ！？」
ゴシゴシと目を擦る先輩につい笑みが溢れる。
普段なら笑うんじゃねぇ！！ってキレてくる先輩だけどそんな私を見て安心したように言った
「 … 心配かけやがってクソガキが 」
そう私を見つめる視線は、
やっぱりすごく優しかった
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以恋(プロフ) - 宙さん» お褒めの言葉ありがとうございます（ ; ; ）続編の方もぜひよろしくお願いいたします！ (2020年3月7日 9時) (
レス) id: 3b71a2a429 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - 作者様爆豪の飴と鞭使い方すごくどストライク(´∇｀) (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
宙(プロフ) - え、何この小説。妄想すると自然と口角上へと向かっていきますね。え、控えめに言って最高です！これからも頑張ってください！ (2020年3月4日 16時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
以恋(プロフ) - Omisoさん» うわああ（ ; ; ）素晴らしいなんてとんでもないです！嬉しいお言葉をありがとうございます！続編の方ただいま作成中ですので、今後ともよろしくお願いします！（ ; ; ） (2020年3月3日 10時) (レス) id: c92cf6abc6 (このIDを非表示/違反報告)
Omiso(プロフ) - 最後まで読みました！とても素敵な作品で物語の構成の素晴らしさに感嘆しました！！続編の方応援しています！ (2020年3月3日 0時) (レス) id: d4a65dd1ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：以恋 | 作成日時：2020年2月15日 3時
