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森の面積なめてた。完っっ全になめてました。
(も、無理………)
ずーっと森をさまよい続けたと言うのに、鬼どころか人にすら出会わないってどういうことよ。もっとこう簡単に会えるもんじゃないの?ご都合主義ってやつが私を導いてくれるはずじゃなかったの??
これはもうダメなのかなぁだなんてガラにもなく項垂れていたら、チラッと視界の隅に何かが映った。
(…………!?今何か通った!!通ったよね!!?)
数十メートル先を一瞬、あり得ない速さで横切る人影があった。私の見間違えでなければ、あれは──
(義勇さん、発見)
慌てて後を追いかける。けど、
(なんじゃありゃ!?速すぎか!!)
柱の全速力には敵わなかった。
***
あの後結局一度見失ってしまい、やっとのことで追い付いたときには鬼との戦いは終わっていた。
そこにいたのは大一番の見せ場が終わった義勇さんと
───────しのぶさん。
(あ、不味い。)
本能的に危機を悟った私は迷わず木の影に隠れることを選択。
「あのですね義勇さん、私は今急いでるんです。あの鬼のことも気になりますが、それと同じくらい重要な探し物をしてるんです分かりますか?」
「……………。」
「前に宇髄さんが大暴れしたことがありましたよね。原因は………ええ、彼女です。このままだとまたアレを止める羽目になりますよ?」
「………………………………。」
うわぁ〜、義勇さんめっちゃ悩みだしたよ。あの義勇さんが弟弟子の命運と迷う程って……いったい兄様は何をしたのか。
というかしのぶさんがここに来てるってことは既に抜け出したのはバレてる……だろうな。
つまり?もし“探し物”ってのが私だとすると彼女は私を追ってきたってことになる。それじゃ捕まったら確実に説教コースだ。やだなぁ…あの人、美人なだけに怒ると迫力が凄いんだよ。めっちゃ恐いんよ。
──逃げるにはしのぶさんが捕まってる今しかないな。
思い立ったら即行動。クルッと方向転換して山の梺へ向けて一歩踏み出した
が、私の体がそれ以上前へ進むことはなかった。
───ボフッ。
音を立てて顔面から何かに突っ込んだ。
こんなところに木なんてあったっけか?
と顔を上げ─────言葉を失った。
───随分楽しそうだなァ?、と。
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ユミヤミ(プロフ) - ちょっと天元さんイケメン!見てる途中で何回も「はっっっ!やばいわー!」ってなりました!天元さんのイケメンが全面に出てますね!たまらんわぁ。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: f76e313fab (このIDを非表示/違反報告)
雲隠 - うぎゃぁぁあぁぁ! 何これ?!天元さんかっこよすぎではないか!?嫁を心配している天元さんもいいけど、妹を心配している天元さんの破壊力がえげつねぇ! (2019年9月5日 17時) (レス) id: fa6b997845 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 面白い!天元!更新頑張って!(無理はしないでね!)応援してますよ! (2019年8月31日 13時) (レス) id: 3d6828cd0d (このIDを非表示/違反報告)
照(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!好き!ホントに!更新頑張ってください! (2019年8月30日 20時) (レス) id: a0ce70a935 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - 村田さんと関わるための布石嬉しいですありがとうございました! (2019年8月28日 9時) (レス) id: bcf5716af8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤い金魚草 | 作成日時:2019年7月19日 23時