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「いいんですか?あんなこと言って。」


胡蝶は、スタスタと廊下を進んでいく宇髄の背中に向けて問いかけた。


「妹さん、悲しそうな顔してましたよ?」


──ピタッと歩みが止まる。


立ち止まった宇髄の前へクルリと回り込めば、彼は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。


「………仕方ねえだろ」

決まりが悪そうにスッと逸らされた瞳は、何かを迷うかのように僅かに揺れていた。



「───はぁ、貴方は相変わらず妹さんのことになると途端に不器用になりますね。」


百戦錬磨の名が泣きますよ?

そう言ってまたヒラリと宇髄の横へ並んだ。



「素直に本心を言ったらいいじゃないですか

───“もうお前が傷つく姿を見たくない”って。」







**********





(うーん、何をすればいいか全くわからない)

訛った体と鈍った感覚をもとに戻すためにと
トレーニングを始めてみたのだか、一週間もしないうちに以前と変わらぬスピードで動けるようになってしまった。


……となると次に学びたいのは


(呼吸法……なんだよなぁ)


鬼殺隊に入るとなれば呼吸は必須であり、出来るだけ速く身に付けておきたい。しかしここで問題になってくるのが、それを初日に兄様に断られてるってことである。


(まぁ私が弱いせいで断られたんだし、自力でどうにかするのが筋ってもんか。)






それからは原作の知識をフル活用しつつ、見よう見まねの試行錯誤が始まった。













───だが呼吸もそう甘くはない。
そもそもこれは一朝一夕で身に付くものでもなく、血の滲むような努力によって完成されていくものである。


それこそ、何年も何年もかけてようやく習得できるかどうかだって怪しいところなのだ。










──まぁ、それが普通の(・・・)少女であればの話だが。


今回、兄にとって唯一の不幸とも言えること、それはこの妹が、兄同様に剣士の才を持っていたことである。







『あ、なんか見えた』



クナイを置き、刀を取って約一月。

これが新しい呼吸が生まれた瞬間であった。

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ユミヤミ(プロフ) - ちょっと天元さんイケメン!見てる途中で何回も「はっっっ!やばいわー!」ってなりました!天元さんのイケメンが全面に出てますね!たまらんわぁ。 (2019年10月13日 20時) (レス) id: f76e313fab (このIDを非表示/違反報告)
雲隠 - うぎゃぁぁあぁぁ! 何これ?!天元さんかっこよすぎではないか!?嫁を心配している天元さんもいいけど、妹を心配している天元さんの破壊力がえげつねぇ! (2019年9月5日 17時) (レス) id: fa6b997845 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白い!天元!更新頑張って!(無理はしないでね!)応援してますよ! (2019年8月31日 13時) (レス) id: 3d6828cd0d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!好き!ホントに!更新頑張ってください! (2019年8月30日 20時) (レス) id: a0ce70a935 (このIDを非表示/違反報告)
れもねーど - 村田さんと関わるための布石嬉しいですありがとうございました! (2019年8月28日 9時) (レス) id: bcf5716af8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤い金魚草 | 作成日時:2019年7月19日 23時

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