【鬼滅の刃】死亡ルートを回避せよ【音柱】

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突然だが、事故にあったことはあるだろうか。
私はある。それも３回ほど。


１回目は10才のときで、歩道で自転車と衝突して足を折った。２回目は高１のとき、横断歩道を渡っていたときに信号無視の車に跳ねられ重症を負った。





そして今、学校からの帰り道でトラックに跳ねられた。流石に3度目ともなると感覚で分かる。




───あぁ、これは助からないやつだ





ドクドクと血が零れていくにつれて遠のいていく意識。──頭に浮かんだのは大切な兄妹達のこと。




ごめんね、もう、守ってあげられないみたい






こうして あまりに呆気なく、そして残酷に私の短い人生は幕を閉じたのだった。





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…………と、ここまでが私の前世の概要である。
どうやら、毒を飲んで死にかけたことが前世の記憶を呼び起こすきっかけとなったらしい。


──ん？なんで毒なんか飲んでんのかって？
そりゃ飲ませられたからだよ、実の父親に。


忍には毒の耐性も必要だとかなんとか………
今は布団に寝かせられてるけど、まだどことなく体が痺れてる。




──っとそんなことよりもまずはこの非常事態を聞いて欲しいんだった！






今世の私の名前、宇髄(・・)杏って言うんです。

ええそうですとも。あの宇髄ですよ。






まあ、意味を理解して発狂しかけたよね。


まさか転生先が大好きな鬼滅の世界だったとか、推しの妹になってたとか





───実は死亡ルートまっしぐらだったこととか、ね。





















────あぁ……死にたく、ないなぁ




記憶が戻る前の私は、忍として死ぬことに疑問を抱いてすらいなかった。きっとそれがこの家では当たり前だったから。





でももう思い出してしまった。私の運命も、この世界の行く末も──死への恐怖も、全部。




──忍として死ぬ？ハッ、冗談じゃない。




やれるもんならやってみろ。私は生き残ってやる。

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