僕じゃダメですか?〜フィンランド編〜 ページ9
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アイスを追いかけて中庭に来てみたら、フィンと喋ってて出ていけない。
聞こえてくる会話は、私のことで。
フィンは私が好きらしい。
今までなら『ごめんなさい』で済ませたのに、顔が熱くなって胸が高鳴る。
話を聞いてただけで好きな人が変わるものなのかな?それとも私が軽いだけ?
でも、アイスを追いかけたのは反射的に。
ノルは憧れてただけ。
あれ?もともとフィンが好きだったのかな。
私の目の奥に写ってたのはフィンだったのか。
見た目は女の子みたいだけど、優しくて結構力持ちでカッコいい一面もある。
フィン「い、今の聞いてた……?」
うなずいて、答える。
『立ち聞きするつもりじゃなかったんだけど……』
フィン「聞かれてたんならしょうがないですね……。来てください!」
フィンが私の腕を引っ張って行く。
ここがどこだかわからない。
……てか旅館って広いな。
フィン「……僕じゃダメですか?」
紫色の瞳には私しか写っていなくて、なぜか視線をそらせない。
『私、フィンが好き!』
フィン「あれっ」
ちょっと困ったような顔をするフィン。
フィン「そう言うのは男の僕から言うもんですよ」
『……』
フィン「Aちゃんが好きです。付き合ってください」
『お願いします』
フィンはふわりと笑って返してくれた。
フィンが笑うと私も吊られて笑ってしまう。
フィンは私を笑顔にしてくれる。
フィン「モイモイは言わないし、言わせないよ! モイしか言っちゃダメです!」
『え? どういう意味?』
フィン「さよならはしません!」
『はいっ』
ふざけたような口調でも、一生の誓いをされた。こんなフィンが大好きです。
・。゚・。・o゚fin・:☆.*☆
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作者名:ポン酢 | 作成日時:2016年1月2日 19時