僕じゃダメかい……? 〜カナダ編〜 ページ15
*
どうしよう。
こんなときに、頼れる人なんて近くに居ない。ノルとアイスに“好き”と伝えられた日。
私はノルやアイスを恋愛感情で見たことがない。北欧のみんなはアイス以外はお兄ちゃんみたいだったから。
アイスは親友。
勢いで逃げてきちゃったけど、これじゃ心配かけるだけだ。
部屋に入ると、鞄が倒れてる。
鞄から溢れた携帯は小刻みに震えていた。
電話がかかってる。
名前を見ると“カナダ”の文字。
カナダ『もしもし? スカイランドかい?』
『スカイランドは呼び慣れてないからAって呼んで』
カナダ『あ、ごめん……』
『ううん。で、何か用?』
カナダ『実は、用は無いんだ』
『えー』
カナダ『Aの声が聞きたかっただけなんだ』
ドクンと胸が波打つ。
カナダ『迷惑だったかな……? ごめんね』
『迷惑とかじゃないよ!』
カナダ『《っるせー! アメリカ! 酒持ってこい、酒!》……今、アメリカとイギリスさんが来てて騒がしいんだ』
『友達来てるのに良いの? 電話なんて』
カナダ『どうせ、僕の存在なんて忘れてるよ……』
『あ、なんかごめん』
カナダ『ちょ、イギリスさ《ブリタニアエンジェル!ほあた☆》ってうわああ!?』
『なに!?』
カナダ『……A、泣いてるの?』
『どうしたの? いきなり……泣いてなかんか無いよ』
声だけなら泣いてることわからないはず。
だって声が震えないように涙を拭いてるから。
カナダ『……もっと頼ってほしいな』
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作者名:ポン酢 | 作成日時:2016年1月2日 19時